復活夢
□おんなのこ
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夏の暑い時期。
日差しがジリジリと照り付ける。
高坂なつめこと僕は、校舎に咲いた花に、水をあげている。
色鮮やかな花を見るのは大好き。
でもこの炎天下、ずっと太陽に当たっているから汗がびっしょりなの。
ベストを脱いで、カッターシャツ一枚で水をまいていた。
「……暑…。」
滴り落ちる汗を拭う。
僕は、地面に座り込んだ。
何とゆーか…。
気持ち悪い。
夏バテしたのかなー。
最近ご飯全然食べてないし。
あ、ヤバい目の前が真っ暗になって……。
フラッと前に倒れそうになった。
地面との距離がもうすぐ、といった時、体が浮いた。
ぐい、と腕を引っ張られたみたい。
「…ぁ……雲雀…さん?」
引っ張られた力が強かった為、今度はさっきとは違う方向に倒れる。
が
またもやそれは寸前で阻止された。
良く見ると、雲雀さんが僕を受け止めてくれたみたいだ。
あ、早く退かないと!
しかし、体は思う様に動いてくれず、腕の中からは出られなかった。
「……?ちょっと、大丈夫……?高坂…?………………?」
最後の方は何て行ったか聞き取れなかった。
それから、なにがあったが記憶にない。
気絶。かな。
あー気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い……。
吐きそう…。
頭痛い。
っ…!?
何か、今、おでこに冷たい感触があった。
「!」
「…あ、気付いた?……君、あの炎天下のなか帽子もかぶらずに何してんの?そんなんじゃ倒れるに決まってるじゃない。」
「………ぁ…れ、」
起き上がると、ずる、と何かが落ちてきた。
見ると、濡れタオル。
さっきの冷たいのは、これだったんだ。
雲雀さんが置いてくれた?
ってか此所何処?
「全く…ほら、これ。どうせ水分補給もしてなかったんでしょ。飲みなよ。」
ずい、とキンキンに冷えたペットボトルのスポーツドリンクを差し出された。
そういえば、何も飲んでなかったっけ。
僕は、大人しくそれを受け取った。
「有り難うございますっ…ん、ん。」
ゴクゴクと飲む。
喉を通る感覚は最高だ。
ヒンヤリしてて、気持ち良い。
ペットボトルの蓋を閉じると、額に当てた。
あー…気持ちいい。
って、雲雀さんの顔が近い!!
雲雀さんは、腕を伸ばして自分の首まで持ってきた。
何だろうと見てると、シャツのボタンに手をかけて来た。
んで、ボタンを二つ外して来る。
…な゛、ななな…嘘でしょ!!!?
雲雀さんをガン見してると、口が開かれた。
「…さっきエアコン付けたばかりだからね、まだ暑いかな。暫く、そうしてなよ。」
あー…そういう事か。
なんだ。びっらくりした。
「………有り難う、ございます。」
「今度からは気をつけなよ。あと、スカートであぐらかかないでくれるかな…。見えてるんだけど。」
は?見えてる?
あー中がってことか。
まー別に良いけど。
僕は、スカートを持ち上げる。
中を見せるように。
あ、雲雀さん目ぇひんむいてる。
何でだろう。
「ちょっと……っ…何してんのっ…。」
「え?別に中は並パン履いてるから見えたって良いじゃないですか。下着が見える訳じゃないし。」
ばっと視線を逸らされた。
「……………………その中が見えてるからいってるんだよ。」
「は?」
嫌々スカートの下は並盛中学の体操ズボン
通称並パンを履くのが普通…なのに。
…
見えて…る?
!しまった!!
少しでも涼しくなる様にさっき脱いだんだった!
「〜〜〜〜〜〜っ!!!」
バッと隠す。
誰かにいわれなくても分かります。
顔、真っ赤だよね。
「あ゛ぁあぁああ見た!?見ましたか見たの!!!!?」
「水色レース」
「云うなぁああああ!!////」
思わず立ち上がり駆け寄ろうとする。
気付くの遅かったんだけど、距離結構近かったんだよね。
だが時すでに遅し。
急に止まろうとしたが、つまずいてしまった。
「ちょっ……!」
「わ、ごめんなさいっ…ん゛っ!?」
体制崩れて転ぶ。
雲雀さんも巻込んで。
何か僕が押し倒したみたいになったじゃないか。
いや、まだそれだけなら良かったんだよ。
その…唇が、くっついている…というか…。
キス
みたいな?
「……。」
「………降りて、くれる、かな。」
やっちゃった――――――っ!!!!
あーっ!!!
嬉しいっちゃ嬉しいんだけどね!?
雲雀さんのこと好きだし?
でも、付き合ってる訳じゃないの―――っ!!
しかも、今日初めて話しました!
恥かしくて話かけられなかったの!
そこ!笑わない!!
あ、雲雀さん口押さえてる。
嫌だったのかな。
…いや、嫌だよね…。
嫌われる。
嫌だ…………やば、涙出て来た。
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