復活夢
□ふあんだってあるんですぅ
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どうしてもたまに思う事がある。
僕は、風紀委員の雲雀恭弥とお付き合いさせてもらってる。
現在3カ月。
告白したのはこちらで、相手は一回うなずいていいよ、と云っただけ。
相手が自分の事を好いていてくれてるのか、全く分からない。
最初は、どうせ遊びなんだろうなとか思いながら割り切ってたけど、やっぱり隣にいるとあまえたい。
好きって云ってほしい。
抱きしめてほしい。
まあ、多分無理だけど。
そんなこんなで今、不安まっ盛り。
雲雀さんは、本当にどう思ってるのだろうか。
「失礼しまーす…」
応接室に入ろうとして、ドアに手をかけた時。
どこかから声がした。
「あ、又あの人応接室に入ってるよ?雲雀恭弥とデキてるらしいじゃん、絶対遊びだよね、唯のせい処理道具みたいな感じ?」
「アハハ、何それウケルwwでも、女の方は結構本気らしいよ?」
「可哀そーw」
ぴたり。
自分の手が止まった。
そして、微動だにしなかった手が震え始める。
道具。
「ちょっと、何そこで突っ立てるの?邪魔なんだけど、帰ってくれる?」
「あ、」
丁度雲雀さんが見周りから帰って来た。
嘘…、こわくて顔が見れない。
それに、帰れ、だなんて、そんな。
バットその場から走り出そうとして、右足を踏み切ったら腕に雲雀さんの手が伸びた。
「にゃ!!」
「ちょっと…!」
ぐるんと行き場を失った足がもつれて倒れそうになる。
それを、雲雀さんは上手くキャッチした。
まあ、抱きしめてるみたいな?
「ご、ごめんなさい、すぐ帰ります!」
何でかしらないけど、あんなに触れられたかった雲雀さんに触れられるのが怖くて、ばっと手を振りほどく。
「う、あ」
走り出そうとした時、雲雀さんは、もう一度、今度は強く手首をつかむ。
「……冗談、なん…だけど?………泣かないで、くれる?」
「え?」
見れば、自分は泣いていた。
応接室のドアが開いて、二人は中に入った。
「ぅ、ひっく」
「………そんなにいやだったの?」
タオルで涙を拭いながら相手を見上げると、眉間にしわが。
「……さっき、誰かが、僕と付き合ってるのはせい処理用具だから、て」
「な、」
雲雀さんは目を丸くさせた。
そして、すぐにまた眉間にしわを寄せる。
「なにそれ、そんなことないし」
「でも、雲雀さん、僕の事一度も好きって云った事ないし、好きなのは僕だけ、って思う」
「……そんなことないし、僕まだ一度もなつめに手を出した覚えないけど。君こういうの苦手っぽかったし」
確かに、前に一度だけ顔を寄せられて鰭s、されそうになったけど、恥ずかしくって拒否した気がする。
「本当に?遊びじゃない?」
「本当だよ」
「ぎゅ、ってしてほしいな」
そうしたら、雲雀さんは何も云わずにギュッと抱きしめてくれた。
玉にでいいからこうして、抱きしめて下さいね?
安心できるから。
なあんて、恥ずかしいから云えないけど。
end.