復活夢

□ふくふく
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冬のヴァリアーは寒い。
とにかく寒い。

部屋は暖房が着いてるけど、冬は何か夜自室で一人が怖くて、眠れない。
だから談話室で眠ろうかなと思ったのに、誰もいないってどゆこと!?


あ、談話室ってのは基本誰かがいて誰かが寝落ちしてる場所。


それより、今夜どうしよう。
とてもじゃないけど一人で寝るなんて無理だし、寒いのも嫌だし…。

仕方ない。
そうだ、食堂へ行こう。



「…だれかいるかな、」



食堂へ着けばまだちらほらと人が居る。
只今深夜3時。
見知った顔は居なさそうだ。

ちくせう…徹夜フラグですか。
仕方ないから帰ろうかなとさっさと踵を返したら、超見知った顔…。

先輩兼恋人のフランさんが丁度入って来た。
堕王子と一緒に。



「フラン先輩ぃい!あとベルぅう!おかえりなさいぃいい」

「あ、なつめじゃありませんかー」

「シシッ、お前未だ起きてたのか、」



たったかたったかと走りながら、二人に駆け寄った。



「眠れなかったのですー…どっちでも良いから一緒に眠ってください…」

「「Σ」」



あれ、二人共何か吹いちゃったよ、何でかな。



「お前、何時からそんな大胆に、嫌塚お前蛙一筋じゃなかったのかよ!」

「…ミー、まだなつめに手出した事無い筈なんですがー…な、何があったんです、かー?」

「ぇ?」



彼等は何を云っているのでしょうか。
なつめには全く理解出来ません。

先輩方は顔が赤いですねぇ。
二人揃って熱でもあるのでしょうか、心配です。



「?寒いの嫌だから、ぎゅってしてたい、んだけど」

「あ、そっちの寝るですかー…もう、びっくりしちゃいましたよー」

「なつめに限ってビッチとか無いもんな、そうだよな、」



は、今気が付いたぜこんちくしょう!
僕は普通におふとんとしていてほしいって意味だったんだもん!
むぅ、と膨れながら二人を見つめれば、ベルは眠いからとすっと居なくなってしまった。



「ま、ミーがあたためてあげますよー」

「はい!」



パッと手を取られた自分は嬉しそうに歩いて行く。
途中道の主導権がフランに変わったから多分相手はフラン自身の部屋に行くのだろう。

案の定フランの部屋に着けば、風呂はもう入ってしまったようでそのまま布団の中へと潜った。
自分も追いかけるように中へ入れば、相手に抱き付きながら目を閉じる。



「ふくふくする」

「あったかいですよねー」

「くふふ」



体温も温かったけど、何よりフランの暖かさに、やっぱり大好きさがふえて。
ふいに、キスをしたくなった。




自分がするまえに、相手にされちゃったけど。







end.

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