復活夢
□ばんびーな
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「なつめ姉ー、遊ぼーっ」
今日は日曜日。
何時もならばツナやママンやリボーンがいるのだが、今日は葬式があるらしく急きょ朝から出て行ってしまった。
なつめとは全く面識のない人なので、フゥ太と御留守番をする事になった。
ご飯は適当に作ってと云われたので、さっき作り終わった時にフゥ太が遊びの御誘いに来たのだ。
「んー…僕ねぇ、ランキング当てゲームがいいな!」
ランキング当てゲームとは、フゥ太のランキングブックのランクを当る、という至って単純な事。
それでも以外と難しかったりする。
「じゃ、それやろう!」
「じゃあねーまずはねー…なつめ姉のいちばん…好きな人、知りたいなぁ!実は今皆の好きな人のランキングを付けてるんだぁ」
「へっ……?」
突然の問い掛けに驚く。
これは嘘を云っても確実にバレるパターンですよね、分かります。
暫く固っていると、フゥ太がおもむろに本を取り出して、開く。
「こちらフゥ太。ランキング星、訊こえてる?応答せよ」
近くの物体が次々に浮いていく。
そして暫くするとバタバタと物が落ちてしまった。
「フフフ…なつめ姉の好きな人わかっちゃった…さぁ、じゃあ当てにいってみよーっ!
妙にテンションが高いフゥ太。
なつめは顔を染めながら首を横に降った。
「い、嫌だよむしろ分からないから、ね?」
「もう結果でてるよー…云わないと本人に云っちゃうよ?」
「うぅ…それだけは勘弁してください…」
「じゃあ誰?」
目を輝かせながらなつめの言葉を待っているフゥ太に、溜息をついてしまう。
しかし当の本人はニコニコしながらランキングブックに書き込んでいる。
「……ディーノさん。」
「ぅゎぁぃ!あたりだよ!さっすが!」
「うー…」
頭を抱えて言葉に出した事を後悔していると、フゥ太は少し申し訳ないと思い、次の言葉を耳打ちした。
「あのねなつめ姉、………ー」
顔が暑くなるのが分かる。
でも、そんな事よりも気になる事が。
もう半ば諦めながら問うてみた。
「ごめんねなつめ姉…僕のランキングでも何故か分からないの。」
とても悲しそうな顔をするフゥ太に大丈夫だよと伝えると、玄関からエンジン音がきこえた。
この音は…と思って玄関まで駆け寄る。
そして勢い良く扉を開けると、金髪のお兄さんが立っていた。
「よぉ、なつめ。久し振りだな」
「ディーノさん!」
さっきあんな話してたから少し緊張してしまう。
身体の体温が一気に上がるのがわかった。
「どうぞ」
彼を居間に通すと、フゥ太は何故か何処かに行ってしまっていて、今この部屋には、なつめとディーノだけとなってしまった。
まずい。これは非常にまずい。
なんと言うか私の心臓が持たないよ。
「?なつめ?どっか具合でも悪いのか?」
「へっ?」
自分の世界に入り込んでしまっていたため急の言葉に驚いてしまった。
「だ…大丈夫です!」
「そうか…?」
「…………………」
「顔…赤いぞ?」
ディーノの台詞が胸に突き刺さる。
こんなのもう黙ってなんていられない。
怖かった。
けれど、この気持ちは押さえきれなかった。
「ディーノさんが、好きです」
「は?おいおい………………ごめん」
知っていた。
自分何かが相手にされないのなんて。
でもさっきフゥ太が云った事が頭に浮かんで離れない。
「私の事嫌いですか」
「いや…そう言う事じゃなくてだな…お前何かまだがきんちょじゃねぇか…」
「…」
「なつめ?」
「でも、でも、さっきフゥ太が世界お似合いランキングで100位に入ってるし、結婚すればいいランキングにだって32位って、ゆってた…」
「結婚?」
嗚呼もう終わった。
泣いてしまったなつめに、ディーノは額にキスを落とした。
「そこが、ガキだって云ってんだ…。可愛いなつめに祝福を…」
だってディーノさん
フゥ太のランキングブックでも分からない
貴方の心のいちばんが
知りたくてたまらないんです
end.