復活夢
□帰り道
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「あ〜、終わったぁ……お疲れ様」
「お疲れぇ」
今、素顔の少年のラジオが終わって、近くの椅子で休憩してる。
メンバーは珍しく全員集まっている。
まあぶっちゃけライブの練習だったりするんだよね。
それでライブが終わってから、のほほんとしていると、トッシーが自分の鞄を見て指を指した。
「ノブ、ケータイ光ってるよ、メールじゃない?」
「ん?」
見れば確かに青く光っていた。
何かと開けて確認してみれば、自分の大切な人からのメールだった。
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fm なつめ
sub こんにちは
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飯田さんこんにちは。
昨日はメール、有り難うございます!
今日ラジオの集りがあるんですよね?
頑張ってください(´・ω・`)
あ、でも見てる時には終わってる?
僕はいまからバイトです。
終わったら又メールします
要らないとか云わないでね(´;ω;`)
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「飯田くぅうん、顔、めっさニヤけてるよ?自覚ある?」
誰かの問い掛けに取り敢えず顔を上下に揺らす。
いや、だって自分でニヤけてるの分かるし。
そりゃ普通愛しい彼女からメールが来たらニヤけるっしよ。
メールの返信を打って(見れないのは知っている)これから暇だなどうしようとか思ってると、美緒が自分に話し掛けて来た。
「何?ノブの彼女?」
「うん、これからバイトだってさ、もう目茶苦茶可愛いんだから」
「……よいしょし過ぎじゃね?」
「云うなぁ!」
俺にとっては目茶苦茶可愛いの!
うがぁと怒ると、相手もごめんごめんと謝ってきた。
もう、なつめの可愛さが分からないなんて可哀相だなぁ。
いや、好きになられちゃ困るしそのままでいいか。…そうだな。
「あっはっは!あれ?彼女さんに会った事ないのってウチだけ?」
「そうだな、俺らリボコンで一度会ってるし」
「なにそれずるい、ウチもノブが好きになった人がどれだけ美人なのか知りたい。見せろ」
「いや、美人じゃないよ?」
「自分で彼女けなしたΣ」
「いや、チガクテデスネ、どっちかっつーと可愛い系かな、なつめは」
「へぇ、なつめちゃんってんだ」
あれ、何か美緒のおぅらが危ない気がする。
まぁそれは良いとして、確かに美緒だけ紹介してないのは可哀相な気がする。
仕方ない、じゃあ今日、行こうかな。
実は自分はなつめのバイト姿を見せて貰った事が無い気がする。
何回かこっちは見せてるのになぁ。
「んじゃー、行くか!」
「マジで?やりー!!」
そうと決れば電車の駅へ向う。
丁度急行があったから、それに乗った。
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そして、なつめの居る喫茶店へと着いた。
「さぁ着いたぜ!」
「場面描写一切無しでキタッ!!;」
「仕方ないじゃないかぁ、東京から此所まで片道一万は掛かる距離なんだよ?そんなの書いてられないって笑」
「笑、じゃねぇよ!?…あれ、此処って、加藤和樹君の好きな喫茶店だよね、シロノワールの有名な」
「やめたって!!そこまで云うと地域まで特定出来ちゃうから!!」
はぁ、はあ…突っ込むのも案外疲れるな。
こんだけ大人数居ると会話文だけで埋まっちゃう。
とにかく、入ろう、と入口のドアを開けると、丁度窓を拭く時だったのか、ダスターを片手に握ったまま目を丸くして固っているなつめがいた。
あ、その顔待受けにしたい。
「あ、あ……TH・IA!!?い、いッ…飯田さんじゃないですかッ!!?」
「遊びに来ッたよ〜ッ」
「はぅううう///」
はい1萌え頂きました。
只今合計2萌えです。
「あ、えと…いらっしゃいませ、お好きな席へどうぞッ」
かなりあたふたしながら氷水とお絞りを取りに行って居る。
なつめの定位置に一番近い位置に座ってその様子を見ていれば、コップからどぷぁと溢れた水のつぎかたに微笑ましく思う。
やっとの事で持って来た彼女に笑いかけてあげると、びくっと肩を震わせてがたたっと傾く。
まだ座って無かった美緒が綺麗に受け止めると、なつめはペコリとお辞儀をしていた。
「えっと、美緒さん、有り難うございます」
「何!?ウチの事知ってるの!?」
美緒がやけにくらいついた。
いや待てよ何で名前よびなんだよ!!
「はい!素顔の少年CD買いましたから!美緒さんもふっきゅんも豊永も分かります」
「名前呼びキタw」
「名字呼び捨てッ!?」
「あ、因みに美緒さん以外は前から知ってました」
名前呼びが羨ましいなぁとか思いながらも見つめていると、美緒がひょこっと顔を近付けて来た。
そして、ぼそっと呟く。
「…もしかしてノブの彼女って……あの子?」
「そうだよ」
「え…まだまだ普通に子供じゃん!!?高校…生?」
何か悲しい…。
確かに高校だけどさぁ…。
とにかく、注目を云わないと始まらない。
丁度お昼時でついでに何か食べようかとメニューを開く。
んーと…どれにしようか。
「えっと、なつめちゃん、だよね、お勧めは何?」
と、フッキー
それになつめも答える。
「えっと、僕的にはスクトーストがお勧めですよ、ベル先輩」
「シシッ、何ソレ、鮫食べるの?」
「きゃあ、ベルぅう//」
「は、置いといて、美味しそうだな、じゃあソレ頂戴」
途中リボーンのベルフェゴールの声でフッキーが云えば、なつめは少し興奮していた。
こんな時の顔、可愛いんだけどね。
フッキーはスクランブルエッグトーストを頼んでたから、自分な何にしようか。
考えてる内に、二人は飲み物と食べ物を決めてしまったらしい。
早く、と急かされてしまった。
「じゃあ…僕はあみやきサンドで、飲み物はアイスオーレで」
「ガムシロップ入ってて大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ、」
「分かった、じゃあ行くね//」
ママさんに注文を伝えれば、こちらをちらちらと見ながらたまに赤くなっていた。
その時入口のドアが開いて、何か人が入ってきた。
なつめはペコリとお辞儀をして、挨拶をしている。
「桧音!みてみて!僕の、大好きな人達がきたよ!」
「おぅなつめ、って……飯田じゃんΣおまいらいつの間に知り合ったんだよ」
えへへと嬉しそうにしながら僕について話している。
ママさんが、なつめを呼んだ。
next?