わぐなりあ

□君だったのなら
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「いや、だって俺胸でかい方がいいし…?」



……最近の悩みは、もっぱらこれです。

偶然先輩方が話しているのを訊いちゃって、かなり職受けたんだけど、相馬さんって…巨乳派だったんだね。
貧乳好きじゃないんだね…。



「はぁ……もうヤダ…これじゃお先真っ暗だよ…」

「ど、そうしたの?みなもちゃん…最近元気ないように見えるけど…」

「あ…伊波さん…いや…どうせこの悩みはここにいる女性の方には皆無の悩み…ハ、伊波さん大好きッ」

「へ!?え、うん有り難う…?」



そうだった伊波さんはワグナリアの中で自分以外で唯一ひんぬー娘だった!!
しかもそれを気にしている!!

みなもは嬉しそうに相手に近づけば、ぎゅっと抱きつく。
うんうん、やっぱ伊波さん胸小さいな…うん、僕より大きいけど。



「でも、本当にどうしたの?甘えんぼのみなもちゃんがいつもに増してものすごいあまえただね」

「……巨乳なんてこの世から消え失せればいいですよね!」

「うんそうだね!!本当に!」



伊波さんはガッツポーズをすれば僕を優しく撫でてくれる。
通じあえた!
絶対これは分かってくれたよこれ!



「相馬さんだよね?相馬さん前巨乳の方が良いって云ってたし…そうだよね、好きな人の好みにそいたいよね…私も小鳥遊君と…はあ」

「……ですよね…伊波さんもかたなし君もきっと巨乳が良いですもんね!!それは置いといてどうして相馬さんの事を…?」

「え?だってみなもちゃん分かりやすいし…」



良く云われるよ!!もうっ!

はあ、とため息をつけばかたなし君がやってきて仕事しろと云って来た。
……しますとも。
仕事したら相馬さんの顔見れるし。
でも…最近む、胸が大きくならないのの他にもう一つ悩みがあるんだよね。


ぁじゃなくて!
かたなし君に怒られたので裏に回ればパフェを作ってと佐藤さんに云われたので作業に取り掛かる。

最近はすごくきれいに作れるようになれたから嬉しい。

今日も真剣に作れば、いつもに増してすごくきれいに作れた。


それを最後にさくらんぼを乗っけたところで相馬さんがやってきた。



「ぁ、そ、そ、相馬…さん…ッ」

「やあ、…おぉ、今日のは一段と綺麗だね、えらいえらい」

「ぇ、えへへ…//」



相馬さんにほめてもらっちゃった!!
これと同じ事小鳥遊君がやったらキレるけどね、僕。

とにかく嬉しくて自分でもわかるくらいに嬉しさを表に出していると、伊波さんがそれを卓に持って行ってくれた。

そして、相馬さんは優しく微笑んでくれる。


超しあわせ……//



「あ、みなもさんずるいです!山田も相馬さんにほめられたいです!それでぜひなでなでを!」

「ぁ……」



悩みの原因キタ!!
そうです、僕の悩みの原因の一つは、葵ちゃん。
何でかって云うと、年下だから、仕方がないと思うんだけど、よく皆にあまえてる。

まあそれは良いんだけど、相馬さんに、よく抱きつく。
仕方ないし、葵ちゃんも悪気はないと思うんだけど、それが嫌で嫌で仕方がない。

ふるふると軽く震えながら自分の服を握る。


その時、みなもの顔はすごく寂しそうで、泣きそうだった。



「(……社さん、今日も山田に嫉妬して可愛いです…。山田、もっと可愛い所みたい…!つい苛めたくなります!)」

「(あははー…相変わらず俺に嫉妬してるみなもちゃん可愛いなー。もっと苛めたくなる…)」



山田はすっとその場で相馬さんに抱きついた。
そして、きめの一言を放った。



「山田、相馬さん大好きですー」

「あははー、俺もすきだよー」

「ぇ、あ、」

「((超可愛い……))」



嘘、今相馬さんが葵ちゃんの事好きって!?
ワォ!…ハ、よく見れば、葵ちゃん…僕より胸がある!?

ばっとその場を走って逃げればその場を離れた。



「いやぁ、今日も山田に嫉妬するみなもちゃん可愛かったですね、」

「そうだねぇー、でも俺ちょっとやりすぎたかな、乙女心とか、考えて無かったし」

「…乙女心とか心配すんなら御前も早く思い伝えてやれよ、好きなんだろ?」

「佐藤さん!」



そこに佐藤さんがやってくればフライパンをガツンと頭にあてる。

佐藤さんはそのまま相馬さんの襟を掴めばさっきみなもが走っていった方向へ投げ捨てると、さっさと仕事に戻ってしまった。



「そっかぁ、同じ者同士気持ちがわかると、ッあ!!佐藤君怖い!いってくるいってくるよ!!」

「…見ててうっとおしいだけだ」



もう…佐藤君たら暴力的なんだから。
好きな子には意地悪したくなっちゃうもんでしょ…?
たく…。

あ、話す子がいなくなっちゃったから俺が語る事になっちゃった☆

まあたのしいから良いや。

とにかく佐藤君が怖いから社さんの所に行くかー。
遠くにいってないと良いけどなー。



「ぅ、かたなし君、もうヤダ…どうして僕は発育がわるいんだ…種島さんは胸は大きいのに…!」



あ、いた。



「社、俺は小鳥遊だ…まあ可愛いから許すけど…、それより、小さい事に誇りを持て!」

「嫌だもん!だって相馬さん、大きい方が良いって…だから葵ちゃんが好きだもん」

「あんしんしろ、そんなことは絶対ない」



小鳥遊君大変だなー。
最近よく小鳥遊君に俺の不満(山田の不満)を愚痴ってるなあ。

お疲れ様。
まあでも、あれだね、相談は良いとして、抱きつくのはいただけないなあ…。

てことで強制連行することに。



「ほら、相馬さんも、山田より(断然)社のが好きだと思うし、」

「でも、僕なでなでとか、されてないし、抱きついてない」

「(……どうしてこんなにに鈍いんだ…お互い両想いなのに…)だからそれは御前が…、あ、」

「やぁ、二人とも仲良しだね流石同い年」

「ぅえ、ぐす、あ、そ、相馬さん!?」



うっわ離れるの早ッッ。
小鳥遊君がこちらを向いて溜息をついた。

そして失礼します、と云えばすれ違いざまにこんなことを云って来た。



「もう、毎回解放してあげる俺の気持にもなってください」

「……あはは、分かったよ、も負う』今日で終わり、ね。ちゃんと好きって伝えるからその顔やめて」



もう怖いなあ。
俺はそのまま社さんの元まで歩くと、そっと涙を拭ってあげる。
そしてぽふんと抱きしめると耳元で囁いた。


これでも、俺、かなり緊張してるからね。



「ッッえ、あ、えと、」

「…ごめんね、俺、ほんとは君の事好きだけど、悔しそうにする顔が可愛くて、ついついからかっちゃって、俺、俺社さんと付き合いたい」

「ッえ!?えと、あと、//」

「好き、だよ」



まあ両思いなの分かってるは云え、ちょっと強引に進める。
俺は、彼女の顔をこちらに向かせれば自分の唇を相手のそれにぐっと押しつけた。

大きく抵抗する相手の肩を強く固定すればなかなか開かない口を強引にあければ舌をねじ込ませた。



「ん!?//」

「目、閉じて」



自分の手で視界を遮る。
その時見た相手の表情は、とても真っ赤で。


堕ちた。
もう、これは決定だな。






君だったのなら



(巨乳じゃなくても良いかな)
(ぇ?あの、えと/////)
(育てがいあるしね)













end.

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