カゲロウプロジェクト

□よろしい、ならばお仕置だ。
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「なんだこの化物…あ、あっちいけ!」



此所はどこだろう。
冷たくて、暗くて、吐き出しそうなくらいに嫌な空気。
手を伸ばせば否応なく避けられる生活。
見渡す限り軽蔑のまなざし。


振り向けば見知った顔が口を開いた。



「あんたなんか生まなければよかった」



そんな言葉がぐさりと胸に突き刺さる。
私なんか、生まれなければよかった。
いつもそうやって手首に刃を宛てた。

カッターを引けばビリッと電気が走るような痛みに肉の避ける音。
血と一緒に嫌な気持ちが流れてくれればいいのに、現実はただぐるぐるとした気持ちが残るばかりでとても気持ち良いなんてものじゃなかった。



「……あれ、」



気がつけばそこは見慣れた景色。
ふと手首を見ればだいぶまえにつけた痕が無数に散らばっている。

最近は、そういう行為はしていない。



「夢……?」



ぼーっとする意識の中、先程の事を考える。
そういえば最近昔の夢を見ていなかった。

気分も悪くなってきたし、水でも飲もうかと床に足を降ろせば、布団にぱたたと数滴、水が落ちた。

頬を撫でればそれが涙だとわかり、いけない気持ちに浸る。



「…ッ」



机の引き出しをそっと開き、カッターを手首に宛てがう。
ぐっと力を入れれば、鈍くて鋭い痛みが全身を駆け巡った。



「ッぃあ、や…ば、やりすぎた、」



もはやぱたたではなくどぷ、と有り得ないくらいに滴り落ちる血を見れば、ぞくっと身震いする。
どうしようか、涙が止まらないけどちょっとはまったなんて。

白いシーツに咲く赤を指でなぞれば、血の中にもう一度刃を置く。



「海莉ー…?」



突然聞こえた声にきゅっと身体が固まる。
背筋がひやりとし、私は動けなくなってしまった。



「ぁ、セト…?」



なるべく冷静を装うも、泣いてた私の声は震え、それに彼が気がつかない筈もなく勢い良く開けられた扉の先には温かい珈琲を持ったセトがいた。

セトは私の状態にすぐに気がつき、持っていたカップを近くに置いて私に飛び付いてくる。



「何やってるっすか!?」



ぱし、と腕を捕まれぐ、と握られると握っていたカッターを弾き飛ばされる。
セトは凄く焦っているようで手が震えていた。

やば、ばれちゃったどうしよう。
考える間も無く抱き締められた身体に違和感を覚える。


どうして私彼に触れられているんだろう。
私いらない子じゃないの?



「私なんか消えればいいんだ」



ぶすっと呟けば目の前の彼は目を見開く。
そしてもう一度私を抱き締めると首筋に軽く噛み付かれたあとに舌をはわされた。

ぞくりとした感覚に変な声がでる。



「ぅあ、…ちょ、セト?」



たまらず名前を呼べば、次は胸を掴まれた。
ぎょっとすれば彼はそのままやわやわと胸をもんで来る。

何かと焦っているうちに、服は脱がされ直に冷たい手が触れる。
頂点をきゅっと摘まれ、びくりと肩を震わせれば、下がきゅぅと疼く、なにこれ。



「セト…なにするの、ッぅあ、」



押し倒されてセトの足が私の股に入り込む。
そのときぬるりとした感覚に、たまらなく興奮した。



「海莉がバカな事するから、お仕置っす」



セトの目は怒っていて、私は顔を見れずに逸してしまう。
彼はそんな私の顔に触れれば、ちゅ、とキスをする。
ぇ、と小さく呟けばぬるりと入ってくる舌にぎょっとする。

んっと抵抗すれば彼の舌はくちゅくちゅと卑猥な音をならせて蠢いた。

そしてズボンははぎ取られる。
反射的に足を閉じればセトの手はなにやら触れられた事のない場所にきた。

あれ、待って私なんかぬれてる。

セトはその濡れた所を指で這い、ぷくりと出た場所を擦った。
途端に襲ってくる快楽に私は声を漏らす。

セトの服を強く握ると、ぐりぐりとそこを攻められた。



「んぅ、あ…やだなにるすの!?」



じたじたと足を動かせば、セトは動きを速めた。
びりりと足の裏が反応し、腰が自然と震える。

息はあがり、セトは笑う。
でも悲しそうだった。


暫く快感に絶えながらその行為をさせていると、いきなり腰が震えた。
先ほどと対して動きは変わらないくせに一気に気持ち良くなる。

意識せずともがくがくと震えて声は止まらない。


ちょ、なにこれ、どうにかなりそうだ。
がしりと彼の腕をつかんでみた。



「ふぇ、やめてよ、んッは、ぁ…だめ、」



なんて甘い声。
びっくりして口を閉じれば、彼はぼっと赤くなった。
えっと彼を見ればごめんと謝り、顔をそちらに近付ける。

あれ、やばくない?

次に温かくぬるりとした感覚が襲ってきた。
すぐにセトが舐めてるとわかり、止めようとしたが力が入らない。
これ以上はおかしくなっちゃいそうだ。


なんて、気がついたら私はもっとなんて口走っていた。



「ぁ、あ!!」



一番強い快感の後くたりと身体が重くなる。
息は荒くなり、私はぼーっとした感覚。



「ぁれ、せとー?」



それを暫く見ていたかれは、ズボンを脱いでいた。
頭が回らずに見ていれば、彼はまた私の下に手を掛け、何かを探っている。

暫くすると鈍い痛みが走った。



「海莉ごめん、いれたくなったっす」



訳が分からずに見ていると、彼のそれが入口についた。
あれ、ちょっとまてそれはまずくないか?
所謂せっく…



「んぅ!」



ぐっと捩じ込まれた感覚に目を瞑る。
さっきより痛いそれば、私の中で熱く動いていた。



「せとぉ、ぁ…あ………?」



目が重くなり、気がつくと私は意識を飛ばしていた。








━─━─━─━─━─━




「…海莉、ごめん」



海莉に珈琲を作ってあげて、部屋に持って行ったらリスカを目撃した。
俺はたまらなく怖くなって、自分のものにしたくなる。


気を失っている彼女の頭を優しく撫でる。
彼女は幸せそうに眠っていた。



「なんでこんなことしたっすか」



傷口を撫でれば、目を閉じる。
あんなに苦しくて悲しそうな海莉は初めてだ。

こちらも苦しくて、海莉がきえてしまいそうで、此処に止めて起きたくて無理矢理抱いてしまった。



「…海莉、俺は海莉がいなくなったら嫌っす」



髪を撫でながら呟けば、きこえないと分かっていながら、俺は呟いた。



「いらない命なら、俺に頂戴…?」



その言葉はやがて消えて、静かな空間だけが残り気持ち悪かった。










よろしい、ならばお仕置だ



(私なんていらないなんて言葉はいらない)
(次いったらまたお仕置するからね)
(俺はお前を守りたいんだ、あいしてる)












end.

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