スガショー夢

□窓に映る幸せ
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最近なんだか疲れてる。
そんな事を思う。

学生にしてきちんと仕事があって、学校にも行っていて。
本当に良くやってるよ、自分は。

えらいえらい。


そして今学校が終わって、これから素顔の少年のラジオのゲスト出演があるからって、今日のパーソナリティー兼僕の恋人、美緒さんが迎えに来るのを待っている。

車で来てくれるんだってさ。



「桧音、お待たせー」

「あ、美緒さん!」



待ち侘びて居た人がやってきて、ぱたたと走っていく。
だって久し振りだから。
最近疲れてて、心に余裕なんて無かったから、嬉しくて。

愛しい彼の元までつけば、ニコリと笑って頭をさげる。



「御久し振りです、会いたかった!!」

「うん、ウチも。一ヵ月ぶりだっけ?」



嬉しそうにしながらぴょこぴょこ跳ねて居ると、相手はぽふ、と頭に手を乗せてくる。
そして、優しく撫でてくれた。

えへへ、と笑えば、美緒さんも笑いかけてくれる。

その時、美緒さんが不意に頭にある手を頬まで移動させ、目元を親指の腹で撫でてきた。
なんだろう、と首を傾げると、心配そうにこちらを見る。



「最近疲れてるの?何か、何時もより元気ない」

「ぇ?」

「ほら、前メールで寝れない、て云ってたし、笑顔がちょっと違うかな」



確かに、最近笑って無かったっけ。
だから、きっと上手く笑えなかったのかな。



「きっと美緒さん不足なんですぅー」

「収録まで時間あるし、ならウチの家くる?」

「!行きますッ」



久し振りの美緒さん家♪
車に乗るよう促されたので、乗れば、車は落ち着く美緒さん独特の匂いで包まれて居た。

やっぱり…この匂い落ち着くなぁ。




家に着けば、ソファに座らされて、美緒さんは上着をほおり投げてキッチンに消えてしまったので、それを拾って、ハンガーにかけておく。
そして、ソファに座り直せば、コップを持って顔だけこちらに覗かせた。



「飲み物は何がいいー?」

「アイスモーニングが良いです!」

「桧音は珈琲すきだねぇ」

「えへへー、甘いので!」

「はいはい」



そして珈琲を持って来た。
こん、とコップを置いて隣りに座ってくる。

フワッとシャンプーの香りがする。
女かよッ!
でも、良いにおいなんだよね。



「美緒さん美緒さん」

「何?」



外ではくっつけないから、部屋だと思い切り甘えられる。
ソファから降りて、美緒さんの下につけば、上に上がりながらきゅー、と抱き付く。

美緒さんも上から持ち上げて膝の上まであげれば同じ目線になった。



「あ、何か、それ、それだよ」

「なにがですか?」

「素顔の笑顔。すんなり笑えてたから」



前髪を上げられて、顔が近付いたので目を閉じる。
おでこにキスをされて、思わず笑みがこぼれた。



「嗚呼可愛い!今のそのめろめろな顔好きだよ、ほら、」



窓を指指されたので視線を移動させてみれば、そこには最高に幸せそうな顔した自分と美緒さんが居た。


やっぱり美緒さんが居なかったら駄目なんだよ。







寂しくなったら思い出す。
窓に映る幸せな僕達の姿を。





end.

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