復活夢2

□不安な夜は
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たまに、どうしても不安になる時がある。
それは夜布団に入り一人だと実感した時が主に、日々生活してる毎日で。

私は本当に愛されているのだろうか、とか 自分は一人なんじゃないのか、とか。


それはどれも自分じゃ抱えきれない不安で恐怖へと変わり震えが止まらなくなる。
怖い、一人が怖い。

愛しい人の声が訊きたい。


私は震える手で携帯を開けば云うことを訊かない指で操作した。
もう慣れてしまった彼のアドレスを開けば、数字のみの文字列にあわせて、目を閉じた。



「…迷惑、かな……」



今時計は深夜2時近くを示している。
こんな時間にかけてしまっては起こしてしまうかもしれない。

はぁ、と小さなため息をつきながら画面を全て終了させてぱたんと閉じる。


現在の時刻を表す光が淡く光って静かに消えた。



「雲雀…さん…」



自分の下唇をくっと噛めば広がる鉄の嫌な味。
嫌いな筈なのに何度も繰り返してしまうのは今自分が不安で仕方ないから。



「……っ…」



つー、と頬に涙が伝った時、携帯がヴーっと私を呼んだ。



「は、いもしもしッ!?」



相手を確認せずに出たその電話は、私の泣き声に混じり沈黙となった。

だ…誰だろう。



「…なんだか君が泣いている様な気がして、ね」

「ぁ、雲雀…さんでしたかッ」

「…何?分らなかったって云うの?」

「見ずに出た、ので…」

「……ふぅん」



雲雀さんからの連絡により口をぱくぱくさせながら固まる。
ちょっと、というかかなり嬉しい。



「なんだ…やっぱり泣いてたんだね、なつめ」

「ふぇえ…」



なんとなく雲雀さんの声を訊いて安心する。
やっぱり大好きな人の声は人の心を落ち着かせることができるんだ。



「じゃあ、それだけだから、切るよ」

「ぇ?ちょ、ばってくださいよ…!!」



吃驚しながらがたた、と携帯を落としてしまい、あわてて拾って画面を確認してみるも、もうすでに通話は終了していた。

つー、と何かが頬を伝い視界が二重にぼけたきがした。



「まったく、何泣いてんの?」

「……ふぇえ?」



ぱっと声をする方を見てみれば先ほど聞こえたいとしい人の顔。
目の前には雲雀さんが立っていた。



「ば、ばかぁあ…」



私は思わず彼に飛びつくと、力強く抱きついた。
彼は驚いていたけどすぐに私を抱きしめてくれる。

私は子のぬくもりが大好きだ。



「馬鹿とは何さ、ひどいね」

「ひどいのは雲雀さんですよ…いきなりきっちゃうから…」

「…家に着いたから切っただけだけど…まあ、悪かったね」

「ぅうう…」

「なつめはバカなの?僕が君が泣いているのをほっておいているわけがないでしょう?」



ふとみたその顔は、他の誰にも見せない私だけの微笑みで、わたしはくふりと笑い、気が付いたら意識を手放していた。













不安な夜は



(僕だけの愛、くれませんか)
(僕だけに愛、もらえませんか)
(僕だけの愛、いりませんか)








end.

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反省
久しぶりなのにとても短くなってしまいました…

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