他作品
□やっぱり何時もの
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ボクは、幸守家から代々伝わる跡継ぎの、忍者で吸血鬼だ。
よく恋人から「可愛い」って云われてるけど、ボクだってカッコいいって云われたいよ!
まあ、しょうがないけど…。
そして、夜。
夏海空ちゃんが家に遊びに来ていて、お泊まりかいみたいな事をしている。
パジャマ姿は新鮮ですっごく可愛いよ!
「クナイくん、そっち行っても、いい?」
「え!?ぁ…うん良いよ、おいで」
まだ二人とも寝転がってなく、普通に上半身だけ出して話してた所。
いづなちゃんの話題が出て来た所で、夏海空ちゃんはムッとしながらこちらを向いた。
ボクは、自分の布団を上に上げると、おいでと手招きする。
あぁあちょっと機嫌損ねちゃった夏海空ちゃん可愛いよ〜〜ッ//
「お邪魔します、…えへへあったかい」
「あはは、もしかして、さっきのjealousy?」
「ぅえ!?ちちち違うよジェラシーじゃない!てか無駄に発音よすぎだよクナイくんッ」
「あは☆」
「あは☆じゃないよ可愛いなもうッ!違うからね?」
「じゃあ嫉妬?」
「どっちも一緒だよ!?だから違うって!言い方変えただけじゃん!」
夏海空ちゃんが真っ赤になってあわあわしながら手をぱたぱたさせている。
うんうん嫉妬なんだね!
ボクはそんな相手を抱き締めれば、頭を撫でてみた。
きゅっと服を握りながらこちらに抱き付く相手に優しく名前をかけてあげる。
「夏海空ちゃん…」
「ぁぅ…実は嫉妬しちゃいました」
「クスクス…分かってるよ、ごめんね?」
「クナイくんのばーか」
「なにおう!?」
夏海空に馬鹿と云われたッ!
少しむかついたから、相手をすっと組み敷くと、顔をぐっと近付ける。
目を見開いて驚く相手にそっとキスをおとした。
「ぇ!?ちょ、クナイくんんッ//」
「ゎー真っ赤になっちゃって可愛いーボクの事馬鹿ってゆったバツだ「「やれやれお盛んですな」」ゎぁああッ!!?」
ちょっと頑張ってキメて見ようとしたら、襖が開いて父さんと邪紅刀がこちらをじっと覗いていた。
あれ?もしかしてさっきのキス見 ら れ た!?
「おやすみの挨拶を夏海空にしておこうと思ったのだが…」
「不潔!」
「わー!?鈴までいるの!?」
「鈴ちゃんネコミミ可愛いッ」
「ちょッ!私術使ってないわよ!?」
「それでも可愛いんだよぅう」
あああああお前ら何してくれんじゃボケぇ!
折角のラブラブタイムだったのに邪魔するなよ!
ちょっとあいつらを叱ろうじゃないか。
そう思いながら、立ち上がった時。
「ッ……!?」
「クナイくん!?」
歯にピリッと痛みが走った。
これは、忍びが近くに居ると云う証。
こ れ は ま ず い
何故って一般人の夏海空ちゃんの前で忍びになる訳にはいかないじゃないか!
って、邪紅刀ォオオ!?
なんでいんのバレるじゃんてか夏海空ちゃん絶対驚くよ!?
ちらりと相手を見る。
「えっと邪紅刀さん、今日もカッコいいですね」
「当たり前だな、」
あっれー!?w
普通に会話してるよw
「ちょっと夏海空ちゃんなんで邪紅刀と普通に会話できんの!?え!びっくりしないの!?」
「へ?だって前にもお話したし」
「ちょっとォ邪紅と…ッぅ」
「はっ…頭領様もしかして…!」
「クナイ様ッ!…行きますぞ!」
ぇええ夏海空ちゃんに何て説明すれば良いんだよッ
これで付いて来るなんて云われたら大変だよ!?
「いってらっしゃーい」
「あっれぇ!?以外と我関なし!?」
「え?」
「ぁいや、とッ取り敢えず行って来ます…?」
「はいよー」
何か…夏海空ちゃんがニコニコして手を降ってる…。
ま、まあいいや。
とにかく行く事にします…。
───────────────────
「ぐぁあああッ」
「夜縁頭領幸守クナイ。貴方の血、頂きました。…ご馳走さま」
「わあ!クナイくんおっきいとカッコいいんだね!」
「…ふぅ任務終了てあっれェ!?」
「お疲れ様ぁ」
なんでどうして此処に居るの!?
ぇえってかどうして分かったの!?
「ぇー…と、夏海空、何故此処にいるんだ?」
「お迎えに来たの」
「で?何故場所が分かった?」
「愛?」
「何故疑問形なんだ?」
「知らない人の体液貰うだなんて有り得なぁい!僕のもあげる」
「うん、よし、話をちゃんと訊こうか夏海空」
愛で此処の場所が分かったら奇跡だろッてか体液て何だよ!?
頭に ? を沢山浮かべると、夏海空は近くのベンチにぴょんの飛び乗り、俺のマフラー的な物をグイッと引っ張る。
そして、無理矢理ベンチの方まで手繰り寄せられて、強引にキスをされた。
「ちょ、夏海空なにしッ、んん!」
「僕の体液、貰ってよ、ぁ、」
仕方ないだろ?
だって好きな人にキスをされて。
体液頂戴だなんて云われたら、止まらなくなっちゃうんだ。
ひょいと持ち上げれば、相手を近くの茂みへ押し倒す。
勿論怪我をさせないように着ていた物は相手の下へ敷く。
そして、びっくりしている相手の腕を掴むと、強引にキスを落した。
「ん!」
いざ攻められると弱いようで、相手は口を強く噤んでふるふると震えていた。
「なんだ、体液くれるんじゃ無かったのか?」
「ぁ、ぁ…あげない、やっぱあげない!」
「ふん」
もう一度キスをすれば、相手の下唇を軽く食む。
そして、小さく訊こえた甘い声を遮るように小さい隙間から強引に舌を捩じ込ませると、夏海空の服を胸の上までぐっと持ち上げた。
「ん!んんんんッ!…ぷはッ!クナイくんッ!?」
「ふん、良い身体してる…な、ぉおお?」
「ぁ、戻った」
「ひぎぃやあぁああああッ!!!/////」
何て事をしたんだボクはッ!!!///
慌て謝ればパッと服を着せて離れる。
相手は涙目になって震えていたから、やっぱりダメだと離れていた距離を縮ませれば優しく抱き締めた。
「ごごごごめんね夏海空ちゃん何て云うかその」
「ぁああ僕こそいきなり、その」
「「ごめんね」」
やっぱり何時もの
君が好き。
(あんなクナイくん、恥ずかしいよ)
(ごめんなんだか自分が変わっちゃって…)
(クナイくんは照れてればいいの!)
end.