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□二章 ふたりの右差し
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「じゃあ、始めようか」


私は、軽快と言っても過言でない声音で彼に言った。


「・・・ああ、いつでも来い」


彼の了承の言葉を聞いたと同時に、私は地を蹴った。




普通の手合わせにしては、離れすぎているのでは?と言われてもおかしくない位に距離を取りながら、


私はいつも道理、下段に刀・・・、いや竹刀を構えていた。





・・・こうやって竹刀を振るうのは本当に久しぶりで、軽すぎるなぁ、なんて思いつつ、


幾多の人々から神速と称された速さで、斉藤の居る場所へと駆ける。


新選組幹部の面々はそんな私の速さに驚いた様子だった。


彼、斉藤も例外ではなかったようで、目を見開き珍しく驚いた表情をしている。




____彼は私が放った逆袈裟斬りを何とか受け止めつつも、ほんの少しだけ、顔に苦渋の色を滲ませていた。
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