田舎姫
□第一話
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私は宇奈月 琴音。風浜町に住む、高校一年生です。
私の町を紹介します。
まず、山と川があり、とても自然が豊かです。昔は良く虫とりをしました。
電車がありません。乗る時は隣町まで行かなくてはなりません。その場合、バスを使わないと、歩いて三十分はかかります。
マンションがありません。住民の家は、昔ながらの瓦屋根の家です。
スーパーがありません。でも、八百屋さんや魚屋さんがあるので、そこは心配ありません。
携帯が繋がりません。使えるのは家電と公衆電話。だから、町の皆はほとんど携帯を持ってないです。
流行がありません。なので、新しいものには皆疎いです。
・・・これが私の町。
周りからは時代遅れなどと言うけれど、私はこの町が大好き。
町の皆もそう思ってる。
「琴音、おはよう!」
「あ、マキちゃん!おはよう。」
登校中、大親友のまきに会う。彼女はとても元気が良くて、私はいつも彼女の元気をもらってる。
そんな時、マキちゃんがいつも以上に興奮した様子で口を開いた。
「ねぇねぇ、昨日二年生に転校生が来たんだけど、その男の子が凄く格好良いんだって!」
「へぇ、そうなんだ。」
それは丁度9月の終わり頃。
ここから、私の生活が変わっていったんだ。
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