人間になりたい猫

□帝光中学校
1ページ/1ページ




「転校してきた一条 成琉です。

よろしくお願いします。」



私は自分の14歳の誕生日にカカ族の村を出た。



そこからは、何もかもがスピーディだった。









昔母さんが住んでいた空き家に着き、周りの様々な環境を調べた。



それから生活品を整えたりした後、慌ただしく『帝光中学校』という「学校」に転校生として入った。



14歳という年は、所謂『義務教育期間』らしく、必ず学校に行かなければならないのだ。








――というわけで、今に至る。



先生に言われた席に座ると、右隣りに座っていた少女が目を輝かせながら私に声をかけてきた。



「私、桃井 さつきっていうの!よろしくね!」



「あ、うん。私、苗字で呼ばれるの慣れてないから、名前で呼んでもらってもいい?」



「じゃあ、成琉ちゃんね!私のことも『さつき』でいいから!」



その名の通り髪が桃色の彼女は、そう言って破壊力抜群の笑みを私に向けた。



それにしても、彼女は胸が大きい。



この場にタオがいたら飛びつきそうだ―――



なんてことを考えているうちに、朝のホームルームは終わった。



とりあえず、この一日でさつきちゃんとはかなり打ち解けあえた。



ひとまず安心できて良かった、と私はホッとしたのだった。









.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ