願わくば

□第三話
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「えっ、どういうことですか!?」

それは本当に唐突だった。









第三話



「メイ・サミダレ、只今参りました!」

ある日、メイはなんと調査兵団実行部隊のトップである、エルヴィン団長に呼び出されたのだ。

勿論、メイにとっては雲の上のような人に呼び出しを食らい、驚かないわけにはいかなかった。

なので今、メイは物凄く緊張しているのだ。

すると、それをみたエルヴィンは少し表情を緩めた。

「そんなに緊張しなくてもいい。ただ、急ですまなかったな。大方、どうして呼び出されたか、気になって仕方ないといったところだろう?」

「き、急などとは滅相もございません!ですが、何故この私のようなぺーぺーが呼び出されたのかは、正直疑問でした!」

「いや、もう君はぺーぺーではない。立派な我々調査兵団の一員だ。入ってからもう二年は経つのだろう?」

「ハッ!ありがとうございます!」

メイはエルヴィンからの褒め(?)言葉に驚きつつも、右手の拳を胸にあててお礼を言った。

「それで、本題なんだが・・・君はリヴァイを知っているね?」

「はい、リヴァイ兵士長のことですよね?見たことはありませんが、勿論存じております!」

「そうか、ならば話が早い。
実は今回、君の所属が変わって、リヴァイの補佐役に回ってもらうことになった。」

「はぁ・・・って、えぇぇぇ!?」

今のが聞き間違えではなければ、エルヴィンは自分に兵士長補佐になれ、と言ったのだ。思わず叫んでしまった。

「え、あの、そのっ!」

「君の言いたいことは分かる。本当に急なことではあるんだが、やってはもらえないだろうか?」

「も、申し訳ございませんが、私では十分にお役に立てるとは思えません!」

そう、ただでさえ兵士長は畏れ多いのだ。いきなり平兵士が補佐になれば、やはり不満だろう。

しかし、エルヴィンはそんなメイの考えを読み取ってか、首を横に振った。








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