願わくば
□第四話
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兵士長補佐
それは過酷なものだった
第四話
「兵長、頼まれた書類、持って来ました!」
「なら、次はこれを持って行け。」
「は、はい!」
先ほどから部屋を行ったり来たりで大変だ。リヴァイは容赦なく仕事を与え続け、休む暇もない。
だが、それだけでは終わらない。
「おいメイ、この書類、ペンが滲んで汚ぇぞ。やり直しだ。」
「はい、すいません!」
彼は極度の潔癖症なのだ。そんな訳で、書いた書類が少しでも汚れていると、こんなもの触れるか、出直してこい、となる。
これには流石に頭を抱えてしまいそうだ。
「(くぅ・・・っ!でも、耐えなきゃ!)」
こんなところでくたばれば、信用はがた落ち、そしてイメージダウンと、負の連鎖になってしまう。それだけは駄目だ。
「お・・・終わったー!」
最後の書類を書き終え、思わず両手を挙げた。リヴァイはそれを見ると、ため息を吐いた。
「書き終えた書類をエルヴィンに届けてこいと言いたいところだが、仕方ねぇ、休憩にしてやる。」
「やったー!ありがとうございますっ!」
リヴァイは厳しいが、こういう時にたまに空気を読んでくれる。一応、良いところもあるのだ。
一応・・・ね。
「・・・・。」
「・・・・。」
休憩をとると、すぐに沈黙が流れる。これもいつものことだ。
けれど、今日は何となく話したい気分だったので、ふとリヴァイに声をかけた。
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