願わくば
□第七話
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忘れるわけがない
二年前のあの日のこと
第七話
「任務、ご苦労だったな。それで、またリヴァイと何かあったのか?」
「え、やっぱり分かります?」
報告書をエルヴィンに届けると、彼は早速メイの様子に気付き、すぐに言い当てた。
「あぁ。君はとても分かりやすい。
特に、あいつと何かあった時はいつも同じ表情をしているよ。」
「えぇっ!?同じ表情って何ですか!?」
そこまで分かりやすかったのか。
メイはエルヴィンの指摘に驚き、少し恥ずかしくなった。同時に、冗談抜きでポーカーフェイスの練習をしようかな、とも思った。
「今度は何があったんだい?」
「あー、えーっと・・・今回のことは、団長にもあまり詳しくは話せないことなんですけど・・・。」
メイはとりあえず、大まかなことだけ話すことにした。
「私の過去を危うく話しそうになったんです。兵長も私の様子の変化に気付いたみたいで、色々聞かれそうになりました。
なので、逃げてきました。」
「・・・君の過去とは?」
「それは・・・言えません。その為に逃げてきたのですから。」
「それもそうか。」
エルヴィンは苦笑し、けれど、すぐ元の真面目な表情に戻った。
その後、しばらく沈黙が流れたが、それを破ったのは彼だった。
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