願わくば
□第十話
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信じているものに
裏切られるのが
一番つらい
第十話
「あの野郎・・・また逃げやがったな。」
しばらく経ってもまだ帰ってこないメイに、リヴァイは苛立った声で呟いた。
そうと判断すれと、すぐにエルヴィンの下へ向かった。
「メイ?いや、今日は来ていないが。」
「来てないだと?」
しかし、エルヴィンの所に彼女はいなかった。
「匿ってんじゃねぇだろうな?」
「いや、もし彼女が来たとしても、匿ったりはしないよ。」
念のためにそう聞いてみたが、エルヴィンはきっぱりとそれを否定した。
「・・・邪魔したな。」
メイがいないと分かると、リヴァイはすぐに部屋を出た。
けれど、そこで困った。エルヴィンの部屋にいないとなると、どこにいるのか。今までこのようなケースはなかったので、心当たりは全くない。
「(まさか、本当にトイレに行ってんのか?)」
残った手がかりは彼女が出ていく際に言っていた言葉だった。
とりあえず信じることにして、リヴァイはトイレに向かった。
推測は当たり、メイはトイレに行く途中で見つかった。しかし、彼女は人が通る通路にも関わらず、道の真ん中に頭を俯かせて座っていて、明らか不自然だった。
リヴァイは思わずメイの下に駆け寄った。
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