願わくば

□第十話
1ページ/4ページ




信じているものに

裏切られるのが

一番つらい








第十話


「あの野郎・・・また逃げやがったな。」

しばらく経ってもまだ帰ってこないメイに、リヴァイは苛立った声で呟いた。
そうと判断すれと、すぐにエルヴィンの下へ向かった。

「メイ?いや、今日は来ていないが。」

「来てないだと?」

しかし、エルヴィンの所に彼女はいなかった。

「匿ってんじゃねぇだろうな?」

「いや、もし彼女が来たとしても、匿ったりはしないよ。」

念のためにそう聞いてみたが、エルヴィンはきっぱりとそれを否定した。

「・・・邪魔したな。」

メイがいないと分かると、リヴァイはすぐに部屋を出た。
けれど、そこで困った。エルヴィンの部屋にいないとなると、どこにいるのか。今までこのようなケースはなかったので、心当たりは全くない。

「(まさか、本当にトイレに行ってんのか?)」

残った手がかりは彼女が出ていく際に言っていた言葉だった。
とりあえず信じることにして、リヴァイはトイレに向かった。




推測は当たり、メイはトイレに行く途中で見つかった。しかし、彼女は人が通る通路にも関わらず、道の真ん中に頭を俯かせて座っていて、明らか不自然だった。
リヴァイは思わずメイの下に駆け寄った。






.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ