短編小説

□寂しいときは
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それはホントに些細なことだった


ただなんてことない事で


だけどあたしは苦しかった


誰にも言えなくて


元気なフリして…


自然に手が栞菜の番号を押していた


『は〜い!栞ちゃんだよぉ!』

「かん、な…」

『どした?』


浮かれた声があたしの落ちた声で固くなった


「あた…あ、たし…っ」

『今、家?』

「う…っん…」

『今から行くから待ってて』


そう言うとすぐに電話が切れた


迷惑かけたくないのに



あたしはいつも弱くて



脆いんだ…














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