お題小説

□飢えた喉をかきむしる
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あああああああああああ。
もう今にも頭がおかしくなってしまいそう。
あいつに会えない日が続いて1ヶ月。先月に一度帰ってきてからずっと会えてない。

しかし今日、やっと弟の淳が帰ってくる。
月に一度なんて少なすぎない?月一と言わず週一で帰郷すればいいのに。
まあ毎週毎週東京から千葉をいったり来たりはさすがに面倒くさいだろうから言えないけど。

そんな様な事を考えながらも、俺の手足は掃除の為にせっせとせわしなく動いている。

まだかな。まだかな。……チラリ。
今のをカウントして、俺が今日時計を見たのは通算何度目だろうか。
ひどく恋しいあいつの顔を思い浮かべる。
俺達以外の人には俺と淳の顔はほぼほぼ同じに見えるらしい。しかし俺達二人からすれば俺達の顔は同じではない。まあ似ているということを否定はできないが。
だって、そりゃあそうだろう。俺達は一卵性双生児、しかも男と男の双子なんだから。似ないはずがない。

しかし今思い返してみれば、その似すぎた顔のお陰で苦労する事は少なかったが楽しい事はたくさんあったと思う。
例えば俺達が同じ髪型で同じ服を来たとする。すると、親でさえもどっちが俺でどっちが淳か見分けがつかないのだ。幼い頃はそれを利用してたくさんの悪戯をしたものだ。

「…ああー…」

思い出すと更に淳に会いたくなった。
重度のブラザーコンプレックス。悲しいね。でも仕方ない。
主がいなくなった淳の部屋がだんだん物置化してきていたのも、その部屋を今俺が掃除しているのも、全部仕方がないんだろう。

あああああああああああ。
早く帰ってこいよ。つまんない。
なんて言うんだろうこういうの。脱水症状とか栄養失調みたいな、ひどく深刻な症状だよ。
淳不足?脱淳症状?的な?もはや飢えだよ飢え。飢えてるんだよ。
まるで、体のどっかにポッカリと穴が開いているような。


あああああああああああ。
あああああああああああ。

「あああああああああああ」

早くあいたい。





飢えた喉をかきむしる

(ただいまー)
(…)
(うわっ…なに、急に抱きついたりして)
(あ、穴がふさがった)
(は?なに、それ)
(ううんなんでも。…あ、おかえり淳)
(クスクス、ただいま亮)


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木更津兄弟ハピバ!
 

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