頂き物・捧げ物
□小悪魔ちゃんにご用心
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今日は日曜日。
部活が休みの今日、俺とジローと岳人の幼なじみトリオでストテニに行く事になっていた。
岳人の提案で昼飯を食ってから行こうという話になり、某ハンバーガー店に寄った。
たくさんのハンバーガーがのっかったトレーを持ち空いているテーブルに座る。(ストロベリー味のシェイクを頼むジローはやっぱり激かわいい)
すると、後ろから聞き覚えのあるデカイ声が聞こえてくるではないか。
「あっ桃先輩、それ俺のテリヤキっスよ」
「いいじゃねぇか、かてぇ事言うなって!」
「そんじゃー桃のフィレオ頂きっ!」
「あぁ!!エージ先輩そりゃないっスよぉ!フィレオの恨みっ!」
「は、鼻にポテトをさすなぁぁぁ!」
「……」
「……」
「…今のって…」
三人揃ってそぉー…と後ろのテーブルを覗きこむ。すると、そのテーブルに座っていた一人が、こちらが話かける前に声をあげた。
「あぁ〜!氷帝の向日ぃ!!」
「えぇ?あホントだ!それに芥川さんと宍戸さんも!」
「…よ、よお」
青学の菊丸と桃城だ。二人が立ち上がりこちらを見ながら指をさす。向こう側には1年の越前もいるようだ。(菊丸の鼻に刺さったポテトにはあえてつっこまない事にした)
「こんなとこで何やってんすか?」
「な、何ってメシ食ってんだよ」
「これから三人でストテニに行くんだC〜」
「おっおいジロー…!!」
言っちまった…。
乾じゃないが、そんな事を菊丸が知れば一緒に行くと言い出す確率100%だ。
ああジロー、その天使のような微笑みで悪魔の発言っ!
「んじゃあ一緒に行こうよ!」
パンっと手を叩いて菊丸が言った。
…よ、予想通り……。
「ふざけんな、絶対ダメ!」
「いいじゃん別にぃ〜!」
「あの〜お客様、他のお客様のご迷惑になりますのでもう少しお静かに願えます?」
「「「「「す、すみません…」」」」」
「…まだまだだね」
岳人の抵抗虚しく結局六人でストテニまでやってきてしまった。
店や他のお客には申し訳ない事をした…。
軽くアップをしてラケットを取り出す。すると、青学の三人がこちらに向かってきた。
「なあなあ、せっかくだし、青学と氷帝で混合ダブルスしようよ!」
「混合ダブルス?」
「Eじゃんそれ!オレ賛成〜」
菊丸の提案に真っ先に反応し賛成するジロー。
まあ確かに、合宿でもない限りはめったにできる事ではない。
「ま、ジローも賛成してる事だし、いいんじゃねぇの?」
「よっしゃあ!そうと決まればさっそくペア決めっすね!」
桃城がそう言う。
…この発言によって、俺達の激しい戦争が始まるのだった。
「なあなあ芥川、俺と組もーよ!」
「A〜?」
「エージ先輩ずるいっすよぉ!芥川さん、俺と組みませんか?」
「なっ、菊丸桃城!ジローと組もうなんざ百年はえぇんだよ!」
「……」
「……」
菊丸、桃城、そして岳人の三人でジロー争奪戦が始まり、俺と越前がそれを傍観。
「(あの二人もジロー狙いか!)」
まあ、俺からしても見ていてあまり気分のいいものではない訳で。
う〜ん…とジローをどう奪お…ゲフンッ、救おうか思案する。
すると、俺の隣で黙っていた越前がボソッと呟き、ある行動に出た。
「…全員まだまだだね」
「…ん?」
越前は岳人達が言い合いをしているため野放しになっているジローのもとへ向かった。バカなあいつらは全く気づいていない。
「芥川さん、あんな人達じゃなくって俺と組もうよ」
ね?と首をかしげてジローを上目遣いで見る越前。
…あいつ、とんだ小悪魔だ!
「〜っ、可愛E〜!///」
「ぐぇっ!」
何かと可愛いもの好きのジローがそれに反応しない訳がなく、かなり力強く越前を抱きしめた。
それによって越前はカエルが潰れた時のような声を発したが本人の顔が嬉しそうだったので結果オーライだろう。
「!」
「あぁぁぁ!!?」
「おチビずるい〜!」
言い合いをしていた三人が異変に気づいた時にはもう時すでに遅しだ。
越前とジローはラケットを持ってコートへと向かっていた。
残されたメンバーで唖然と二人の背中を見つめていると、越前が自分の背中の後ろでピースを作り、顔だけこちらに向けてべーと舌を出した。
「クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソ越前め!」
「いやクソクソ言い過ぎっスよ」
「おチビ〜!抜け駆け禁止ぃぃぃ!!」
「はぁ…俺達激ダサ……」
小悪魔ちゃんにご用心
オマケ(越前視点)
後日。
この日からよく合うようになった俺達。まあ友達以上恋人未満ってとこかな。
今日も芥川さんに誘われてテニスをしてて、そろそろ帰ろうかって話をしていたところだ(まあ俺はデートだったと思ってるけど)。
…今日で、この半端な関係に終止符を打つ!
「じゃあ帰ろっか、越前くん!」
「…芥川さん、ちょっといい?」
「ん?なに〜?」
「…そろそろ、はっきりさせてもいいんじゃない?」
「何を?」
首をかしげて頭の上に?を浮かべる芥川さん。
…たぶん本当に分かってないんだろうな。
「俺さ、こんな風に頻繁に会ったりしてるのってあんただけなんだよね。……この意味、分かる?」
「う……じゃ、じゃあ越前くん、はっきり言ってほCな!」
「あんたが好き」
「うぇあ!?///」
「何?はっきり言えって言ったのあんたじゃん」
ニヤリと笑ってわざと意地悪げに言ってやる。
顔をうっすら赤らめた彼を見ると、どことなく苛めたくなってしまう。
「ま、まさかそんなにストレートにくるとは思わないC!///」
「それで、あんたは?」
「え」
「あんたは俺の事どう思ってんの?」
「え……越前くんとおんなじです…///」
「はっきり言ってほCな?」
「うぅぅ///」
さらに顔を赤らめうつ向く彼は、なんだか俺よりも歳上とは思えないほど幼く、そして可愛く見えた。
「………リ、リョーマが好きだC!」
「!!……へぇ。それじゃあこれからは恋人って事で、ヨロシク。ジローさん」
「おー!!」
まあ何はともあれ、友達以上恋人未満の関係はこれで終了。
これからは"恋人"っていう誰にも譲れない関係で、二人一緒の時間を過ごしていくんだ。
他の先輩達になんか譲らないから!
END
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アトガキ
もえリンお待たせぇぇぇ!(>Д<;)
やっと書けた……。
いや、なんか毎度の事ながらこんな駄文で申し訳ない…。
特にオマケ壊滅的orz
やっぱ甘が苦手だなー…。いつか克服したい!
直してほしいとことかあったらバシバシ言ってね!全力で直すから!
あ、そういえば青学のキャラがでてくる話書いたのこれが初めてかも……?
貴重なお話になったよー(*^-^)ノ
それじゃあ、リクエストありがとうございましたヾ(^▽^)ノ
2011.4.11.