お題小説

□間違ってるのはあなた以外の全部だ
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青学の手塚さんを筆頭に今生き残っている奴らが管理塔への襲撃を始めた。
首輪を外す方法をどうやって見つけたのかは謎のままだが、どうやら生き残る希望を見つけたようだ。

小さな小屋の窓から見える外界では時折管理塔の方角で煙が上がり、外ではサイレンが鳴り響いていた。

実を言うと、この作戦への誘いは俺達にも届いていた。
その当時ここにいた生きた人間は、跡部さん、芥川さん、樺地、そして俺の四人。
芥川さんと樺地は手塚さんについていった。
しかし跡部さんは断った。
『俺はここに残る。俺達全員いなくなったら、誰がこいつらを守るんだ』
そう手塚さんに伝えて。
跡部さんがそう言った時の手塚さん達は、驚いたような悲しげなような、なんとも言えない表情を浮かべ、『…そうか』とだけ呟いた。そして俺達の首輪を外した後、あの場所へと向かった。

跡部さんは相変わらず今も、答えもしない彼らに話かけている。

「忍足、眼鏡が汚れてるぞ。……仕方ねえ、俺様が拭いてやるよ」

……答えはない。

「おい向日、ジャージが捲れて腹が見えてる!みっともねえ」

……答えはない。

「宍戸、鳳。お前らいつもいつもくっついてて暑苦しくねえのか?」

……答えはない。

「ん?おい萩之介、髪が乱れてるぞ。おら、解いてやる」

……答えは、ない。

「…跡部、さん…」

呟いた言葉は跡部さんの耳に届く事なく、やがて空中で消滅した。
跡部さん、本当は貴方も分かってるはずだ。もう彼らが返事をする事はないって。
……それでも、現実を受け入れられない。いや、受け入れたくないのだろう。
だから彼はこうして話続ける。彼らを生かし続けるために。

狂ってしまった跡部さん。そしてそんな貴方と共にいる事を望んだ俺も、きっと狂ってるんでしょうね。

「……なあ日吉……俺は、間違っていると思うか?」
「……いいえ」




間違ってるのはあなた以外の全部だ

(この身が朽果てるまで)
(あなたについていく)






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アトガキ

奇跡的に全員集まる事ができ脱出の作戦を練る氷帝メンバー。
しかし跡部・日吉・芥川・樺地の四人が仲間を集めに出た時、何者かに小屋を襲撃され残っていたメンバーは命を落としてしまう。

落胆し途方に暮れる跡部らのもとへ手塚達が訪れ仲間に誘うが、賛同するのは芥川と樺地のみ。


一応跡部は理解してるんです、皆がもういない事を。でもそれを受け入れたくなくて自ら狂ってしまおうと……。
日吉はそんな跡部を放っておけず、彼と同じ道を歩む事を決めます。

gdgdですみませんorz
 

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