企画小説

□14日 鳳長太郎
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皆が帰った後の静かな部室で、俺は一人部誌を書いていた。
ゴミ箱に詰め込まれた綺麗な包装紙や空き箱を見ながら今日1日を振り返る。

世間的には今日はバレンタインデーだ。

その証拠に今年も跡部さんに贈られた大量のチョコレートを運ぶトラックを何台か見かけたし、他の先輩達も跡部さんには劣るがチョコレートをもらっていて、部活の前や終了後、お前どれくらいもらった?なんて話していた。
かくいう俺も何個かチョコレートをもらってはいるが、俺としては今日はバレンタインデーよりも大切なイベントの日だ。

「ハッピーバースデー、俺…………なんてね」

俺の誕生日なんて、やっぱり誰も覚えてないか。

「あれ、鳳?」
「あ、滝先輩。お疲れ様です」

静かに開いた扉からひょっこりと覗く顔。
聞こえた声の主は一つ先輩の滝先輩だった。

「お疲れ。今日部誌鳳だっけ」
「はい」

滝さんはどうしたんです?と聞けば、どうやら監督に今日行った試合のスコア表を引き渡していたとか。ついでに部室の戸締まりチェックを任され寄ったそうだ。

「すいません、すぐ終わらせますね」
「ああ大丈夫だよ、ゆっくり書いてて」

そう言うと滝さんは荷物を置いて奥の部屋へチェックに行ってしまった。

「……」

滝さんの鞄とテニスバックの隣には、たくさんの箱が入った紙袋。
………チョコレート。

はあ、と一つため息をつき部誌を仕上げる。
帰り支度をし始めると、ちょうど滝さんもチェックをし終え戻ってきたようだ。

「じゃあ滝先輩、お疲れ様でした」

最後に『待たせてしまってすみません』と添え荷物を持って扉の方へ向かうと、『あ、待って』と呼び止められた。

「今日って鳳の誕生日でしょ?」
「えっ?」
「あれ違った?」
「いや、合ってますけど……」

ビックリして思わず聞き返してしまった。
そんな俺を見た滝先輩は、『実は戸締まりっていうのもただの口実なんだ。鳳の誕生日、お祝いしようと思って』と言いクスッと笑った。


「奢るよ。どっか寄ってこ?」
「は……はい!」

滝先輩のウインクに密かにドキリとしてしまった事は、ここだけの秘密。





バレンタインマジック







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チョタ子誕生日おめでとおおお!
そして遅くなってしまってごめんなさあああああい!
相手を誰にしようかめっちゃ悩んだだけなんだorz
とにかく2/14happybirthday鳳長太郎!

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