記念小説
□君は黒で僕は白
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俺はさっきから視界にチラチラチラチラ映り込むヤローに苛立っていた。
てか銀さんの視界に許可なくなんでアイツ映ってんの?なんでアイツいんの?江戸だぜここは。そんなんだからヘッドホンがテメェの後ろで困ったようにウロウロしてんじゃねーか!
怒鳴ってやろうかと口を開こうとした時、ふと、あることを思い付いた。
「あーっ!この門松屋の饅頭食いたかったんだよなァ!!でも俺には高くて買えねーし…我慢すっかぁ!」
高杉に聞こえる声で言い店の前から立ち去ると、後からそそくさと店に入っていく。
ぷぷっ、まんまと買ってやがるぜ〜!
総督様は昔からボンボンだったし甘味の一つや二つや三つや四つ、なんてことねーだろ。
俺のストーカーならもっと俺の役にたつことをさせればいいじゃん!
ちょ、銀さん頭よくね?
この調子で銀時は何店か買わせていき両手いっぱいになったであろう所で万事屋に帰った。
そして、少し経つと食べ物でいっぱいになった高杉がスカしたツラして姿を現した。
「よォ銀時ィ」
「よぉじゃねーよアンタ、お訪ね者が往来を闊歩してちゃそろそろ捕まるぜ?つかなにしに来やがった」
「なんだ、俺の心配してくれんのかァ?」
「ミジンコほどもしてねーよ。所で、それは?」
わざとらしく装うと「あぁ」と高杉は机の上にドサドサッ!と荷物を置く。
「土産だ」