お題お話

放課後ララバイ
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「ぁっ……そこ、」

「…ここか?」

「ん……ぁ、イイ…もっと、強く…」

「……」

「あっ、や…痛…んン…」

「……おい、」

「やだ、やめないで…もっとして…ン、」

「〜〜〜…っ、おい、銀八っ」


俺は耐えきれずに少し震える細い肩から手を離した。
「あ?」
「お前、その声どうにかなんねぇのかよ!?誰か通ったら絶対ぇ誤解されんだろうが!!」
「あ、ああ…ごめんごめん、いや〜あんまり土方がテクニシャンだからさぁ、つい出ちゃうんだよね」
へらりと笑うと、銀八は此方に向き直って白衣を正した。


「本当ウマいな…肩もみ」


そう、俺土方十四郎18才はこの一週間(土日があるから正味5日間)毎日担任の肩もみをさせられている。というのも、俺の遅刻癖のせいなんだけど。先週いつものように遅れて行ったら教室に入るなり銀八が言った。

『はい土方、今月に入って遅刻10回目〜つう訳で一週間センセーの肩もみをしなさい』

今思えば意味が分からねぇが、俺は素直に毎日放課後こいつの元に通った。3年は部活も無いし、俺にとっちゃ千載一遇、またとないチャンスだったから。密着とまではいかないがかなりの至近距離で直に(服は着てるけどさ)触れられんだぜ。初めて触れた銀八の肩は意外と細くて、白衣の襟元から覗くうなじの白さにクラクラした(高校生だぞ俺、自分の忍耐力パネェ)

でもそんな(辛くて)(幸せな)放課後も今日で5日目、「あ〜肩軽くなった」と首を回す銀八の背中に声を投げる。

「今日で最後だからな」
「はいよお疲れさん。これに懲りたらもう遅刻すんじゃねぇぞ」

「……遅刻したら、また肩もみさせられんの?」
「はぁ?なにお前、また遅刻しそうな口振りじゃねぇか、んなに肩もみしてぇのか?将来整体師にでもなるつもりか?」

「だって、こうやって放課後あんたと2人っきりになれるし」

グルグル肩を回していた銀八の動きがピタリと止まった。そりゃそうだろうな、軽く爆弾投げたんだから。
僅かな沈黙の後、銀八はゆっくりと腕を下ろした。
「…ねぇ知ってる?とってもラッキーマンのがもうひろしってバクマンの大場つぐみなんだって」
「豆しば!?何でいきなり豆しば!?」

銀八は振り返るといつものやる気のない表情でニヤリと笑って煙草をくわえた。
「びっくりした?これ“トリビアの洞爺湖”に出そうと思ってんだけど、何マジ!?出ると思う?」
「知らねえよ!!つうか……まあいいや、じゃあな」

溜め息をついて教室を出た。
さっきの間は絶対気付いた筈だ。でも、別に焦らなくていい。ちゃんと言葉にするのは卒業式の後、自由の身になってからー…

な、センセー







「…あ〜あ、肩もみじゃなくてスクワット1000回とかにすりゃ良かった…」





一人になった銀八が、そう呟いたことを

俺は 知らない



end


***********

ちょこ太様、お待たせしました!!(待ってない?ショボンヌ…)

『3Zで土方片想い』…だったのに、なんか微妙に土→←銀?になってしまってスミマセン(汗)

こんなんで良ければ嫁に貰って下さい
(>_<)

相互&素敵なリクありがとうございました☆




メグミたんから相互小説頂きましたぁぁ><
3z!銀八先生に片想いする土方くんがすきなんですてへっ☆
もう萌えました!素敵なお話ありがとうございました!!
これからもよろしくお願いしまっす(´∀`)ノ

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