お題お話

初めての秘密
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「晋助。お昼なので銀時を連れてきてくれませんか?」



先生にそう言われどうせまたいつもの場所で寝てるんだろうと教室に向かった。


「おい銀ー…いねぇ」


じゃあアイツの部屋か?

踵を返し部屋に向かって中を覗くといない。

他の部屋も厠も風呂場も余すとこなく見ていったけどどこを探してもやっぱりいない。


「…テンパのくせに俺に探させるとはいい度胸してるじゃねーか」


なんだか振り回されてる自分にイライラして舌打ちをする。

「どうしたのだ。さっきからドタバタと、探し物か?」

縁側で本を読んでいたヅラに話しかけられた。
コイツだったらいつも銀時の面倒をみてるからどこにいるか知ってるかもしれない。
聞こうと思って口を開けたけど、言葉になって出たのは「先生がお昼だって言ってた」ということだけ。


「そうか。わかった」


パタン、と本を閉じてヅラは行ってしまった。

「………」

一瞬、もやっとした感情が胸に流れた。

ヅラにはわかって、俺にはわからない?

その事実が癪にさわる。
銀時のくせに。
アホのくせに。
何で俺がお前なんか探さなきゃならないんだ。


考えれば考えるほどムカムカしてきて、見つけたら一発殴ってやろうと心に決めた。




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