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スザクは向かい合った姿勢のまま片方の腕を俺の腰に回し、もう片方の手を後ろから入り口に這わす。

「ん…っ」

しかしこの体勢はかなり疲れる。

「スザク、脚痛い…」

「あぁ、ルルーシュにはきつかったよね、ごめんね」

何気なく放たれた失礼な言葉に、思わず片頬をひくりと動かす。

スザクは最後とばかり俺の胸にきつく吸い付いた。

「ふぁあ…っ」

情けない声が漏れ出て、俺の先端からも雫が滴り落ちた。

顔がかっと熱くなる。

「可愛い…。座っていいよ」

俺は言われるままにスザクの膝の上に腰を下ろした。

スザクの指が入り口をゆるゆると撫で、指先を埋める。

俺はスザクの首に抱き付いて肩口に顔を埋めた。

「は……ぁ…っぁ…んん…」

スザクの指が俺の中で大胆に動き始め、思わずスザクの首に、より強くぎゅっと抱き付く。

「ルルーシュ…耳の近くでそんな声出されたら…」

「………」

俺は目の前にあるスザクの綺麗な首筋に、触れたい衝動に駆られ、吸い付いた。

「るっルルーシュ…!?」

スザクが驚いた声を上げたが、構わず続ける。

「あのさ…そんな事してると我慢出来なくなりそうなんだけど…」

「ん…我慢しなければいいだろ…っ」

スザクが溜め息ともとれる小さな息を吐いた。

「…ルルーシュってさ、本当にエロいよね…」


…心外だ!


「じゃあ挿入れてくれる?」

自分から言い出しておいて引き下がれないし、この体勢になった時から予想はしていた。

…何より、俺が欲しいというのが一番であるが。

何度もした事は無く、その度に照れてしまうのだが、スザクのジッパーを寛げる。

形を変えたスザクを取り出し、自分にひたと当てた。

「ぁっ…」

今ではもう、先が少し埋まるだけで堪らない快感が襲う。

難しくはあるが、スザクがしっかり慣らしておいたお陰で、思ったよりは少し楽に入っていく。

「んん…ん…っ」

全て挿入れ終えて、俺は息を吐き出した。

「お疲れさま」

笑って告げながらスザクが緩く腰を揺らしてくる。

「ん…っんぁ…っ」

俺は力が抜けて、スザクに縋りついた。

「ルルーシュ自分で動いてみて」

言われて少しだけ腰を動かす。

「今日は体位が違うからいつもと違うとこが擦れるでしょ」

「ん……、ふ…っ」

深く入ってはいるが、スザクは全く動かず、自分が僅かに、それも身体が我慢出来ず勝手に動いてしまって揺らしているだけなので、気持ちはいいのだが、少し焦れったい。

ゆっくりとしたいやらしい濡れた音が響く。

「こういうのもエロくていいね。でもこれじゃずっとイけないよ?」

「お前っ…は、さっきからエロいエロいって……っぁ…」

「だってエロいんだもん」

「あっ…」

悔しくて、スザクを締め付けたが、その分自分にも刺激が来る。

「ん……っ、んんぁ…っ」

俺はスザクの肩に掴まって、何とかスザクが気持ちいいようにと腰を揺らすのだが、やはりそれは自縛になってしまう。

「や…っ、ゃぁ…っあっ…スザク…っ」

そのうち身体は言う事を聞かなくなり、自分の悦いところばかり擦ってしまう。

「ん…っゃ…やだ…っ止まんな…っ」

「ルルーシュ…」

スザクの表情からも若干余裕が無くなる。

「スザ…っスザク…っぁっ」

俺はもう恥ずかしい等という事を気にする余地も無く動いた。

「スザク…っ」

「ルルーシュ可愛い…。やっぱりエロいよルルーシュは」

…もう否定するのも億劫だ。

少し自分でも、そうなのではないかと思ってしまったのが嫌ではあるが。

「…褒め、てるの…かっ…?んゃぁ…エロいっていうの…ん…っお前は好きなの…か…?」

「…さっきも言ったじゃないか。ルルーシュはエロくて可愛いって。そんなルルーシュを俺が嫌いな訳無いだろ。…ルルーシュ、大好きだよ」

…スザクが好きでいてくれるならそれでいい。

「俺も…っ好きだ…スザクっ…」











「…あのさ」

夕飯も風呂も終え、ベッドに潜り込み、俺に後ろから抱き付いたスザクがぽつりと切り出した。

「俺進学する」

「……は?」

思いがけない言葉に、俺の思考が一瞬固まる。

「…俺元々勉強嫌いだったし、ルルーシュと釣り合う為にも早く親から自立したいし、とにかく高校卒業したらすぐ働くつもりだったんだ。」

スザクの言葉には有無を言わせない程、決意が強く表れていて、俺はただ黙って耳を傾けた。

「でもよく考えたら、それじゃ駄目なんだって…。俺がまだ未熟なのは事実だし、このまま何も学ばずに社会に出たって、きっとルルーシュと釣り合えるようなしっかりした大人にはなれない。俺はもっと沢山の事を学ばないといけないと思う…。…これは、ルルーシュとずっと一緒にいる為にはどうすればいいか考えた俺の精一杯の結果だよ」


…子供というものは、知らない間に驚く程成長しているものだ。


「……そうか。…ってだったらお前、こんな事してる場合じゃないだろ!!勉強は…」

そう言ってスザクの腕から逃れるべく身体をよじるが、心の中では自分でも呆れる程寂しくて堪らない。


…あぁ俺は、本当に、本当にスザクの教師から恋人に、なってしまったんだな…。

「ルルーシュ、俺の成績見てるんだったら知ってるでしょ?あれから平均は超えるようにしてるって。ルルーシュと会う時間を削らないように家で勉強してるんだから」

「それは…頑張っていると認めるが…」

これは本心だ。

スザクの努力とその継続に、少し驚いてさえいる。

「でもさ、やっぱり受験が近付いたらそうもいかなくなると思うんだよね…」

「………」

ここで何か言おうものなら、本音が出てしまいそうで、口を閉ざした。

「だからさ、もし大学受かったらご褒美欲しいんだけどなぁ…。そしたら頑張れる気がする」

「…いいぞ。…今なら何でも聞いてやる」

「本当!?」

後ろから至極嬉しそうな声が聞こえる。

…顔は見なくても分かる。

「じゃあもし大学受かったらさ、…一緒に住んでくれる?」

再び思考が停止する。


こいつの考えはいつも俺の斜め上辺りを行って、だから俺は、いつも振り回されてばかりで。

でもその度、俺自身では決して破り得なかった殻を、一枚ずつ確実に破る事が出来ている。

スザクは俺に追い付こうとしているつもりなのかも知れないが、俺は、俺の方こそいつも与えてもらってばかりだと思っている。

全部こいつに出逢ってから…。


「…考えておく」

「えぇーっ、いいでしょ?約束してよ」

いきなり幼く振る舞うスザクを可愛いと感じながら、俺は勿体振って長い溜め息を吐いた。

「……しょうがないな…」

小さく呟いて、スザクにキスされるのを待つ。

「ルルーシュ…!」

後ろからぎゅっと抱き締められ、首筋に期待通りのキスを受けた。

…嬉しくない訳がない。

「…絶対に、何がなんでも合格しろよ?それまでちゃんと待ってるから」

スザクが頷いた気配がした。

「…ルルーシュ、こっち向いて?」

俺はそうして、唇に触れられる予感を胸に、スザクの方へ顔を向けた。

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