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「ん…ぁ…っゃあ…ぁ」

スザクの舌は尚もルルーシュの敏感な部分を這う。

その間にも、潤沢な蜜は留まる所を知らず溢れ出した。

ルルーシュは今すぐにでも達してしまいそうな程だが、スザクはそれを察知すると、ギリギリのところで愛撫を緩める。

スザクの抱き方はとても丁寧だ。

逆に、自分だけの快楽を求めて乱暴に女の子を抱いたり、衝動に任せて、回数だけの薄いセックスを繰り返す男達をスザクは不思議に思う。

…覚えたてのガキじゃあるまいし。

女の子は心で感じる部分も大きいから、愛を込めればそれだけ心も身体も応えてくれる事を知っている。

…一人で満足するようなセックスはオナニーと一緒だろうと思うんだけど。

そして達する直前の快感を積み重ねた後の快楽は、とても深い。

浅く回数を重ねるより、ずっと満たされる。

何より相手の身体に負担を掛けない。

確かに泣く程に悦がらせて、滅茶苦茶に犯してしまいたい時も無いでは無いが。

しかしたまにそれをやると、最中はルルーシュも悦んではいるのだが、事後がとても辛そうなので、罪悪感からもやはり控えようと思うのだ。


まぁ、そんな悠長な事が出来るのは、本当に愛してる人だからこそなんだろうけど。


「…ルルーシュ、そろそろ挿入れるよ?」

「ん…」

ルルーシュは身体中を巡る甘い痺れのせいで、夢うつつに答える。

「あ…、今日はそのままでも大丈夫な日?」

「…日数…的、には…」

ルルーシュは少し逡巡してから答えた。

「…今日は…生、でもいい?君も中出し好きだし…」

スザクは上目遣いで尋ねる。

「…いいよ」

即答ではなかったルルーシュに、スザクは優しく微笑んだ。

「…やっぱやめておこうか。ごめんね」

「どうして?」

ルルーシュはスザクの腕に触れる。

ルルーシュの問に、スザクは再び微笑む事で答えとした。

「…でも、君にもし子どもが出来たら一緒に育てたいなぁ。…いつかは産んでくれるんだろ?」

はにかんで問うスザクに、ルルーシュは一瞬泣きそうになる。

将来を誓うようなスザクの言葉が、心から嬉しかった。

「…いいよ、スザクなら。私…スザクの子どもなら…欲しい…」

「ルルーシュ…」

言葉で伝え切れない分の感情を、しっとりと触れるだけのキスで埋める。

「…ね、だからそのまま挿入れて?」

ルルーシュは自らの脚を本当に、ほんの少しだけ動かして開いた。

「…ルルーシュ、やらしい…」

スザクがゴクリと唾を飲み込む。

「ばか…」



「ん…んん…っ」

スザクの入ってくる感覚に、ぞくりと涌き立つような快感を覚える。

「すごいね…きゅうきゅう締め付ける…」

直接の刺激に、スザクも思わず息を洩らした。

その色っぽい表情に、ルルーシュは胸を高鳴らせる。

「あ…今締まったね。ルルーシュ、いやらしい事考えた?」

「…スザクが…、そんな顔するから…っ」

拗ねたようなルルーシュに、スザクは思わず可愛いと呟いて、腰を送り始めた。

「んっ…んゃあ…や…スザク…っ」

ルルーシュの濡れた瞳と紅く染まった目許が、スザクを堪らなく煽る。

そして送る振動に、素直に乱れ揺れる大きな胸に、スザクは思わず目を奪われる。

…すっごいぷるぷるしてる…。

「ぁっ、ゃあ…っスザク、おっきく…なったぁ…」

ルルーシュが泣きそうな声を上げる。

「君が可愛いから…」

誤魔化すように言ったが、嘘ではない。

スザクはルルーシュの好きな場所を緩く攻める。

「んん…っは…ぁスザクぅ…」

散々焦らされ、その身体に本来収まりきるべきを超えた快楽に、ルルーシュは身体が甘く溶けてしまうのではないかと疑う。

スザクに触れていると、自分が自分ではないような感覚にされてしまう。

しかしそれが本来の姿であり、本当の自分をスザクの手で見つけ出してくれているような気もしてくる。

その不思議な感覚は、未知故に少し怖い。

それでも、スザクになら全て暴かれ、見て欲しいとさえ思う。

ルルーシュにとって身体を繋ぐ事は、その延長上にある物でもあった。


「ふ…ぁあ…っスザク…っ」

「…孕ませたいな…。ルルーシュの身体の中に僕の種を残せるってすごい嬉しい…」

「スザクの…種…?………欲しい…」

ルルーシュも万更ではない様子である。

スザクはうっ、と詰まった。

「…君はまたそういう事言って…」

大切にしようしようと心掛けているのに、ルルーシュはいつもスザクの理性をなし崩しにするような事を平気でする。

「んぁあ…っすざくぅ…も…むりぃ…いっちゃ…ゃあぁ」

ルルーシュはびくびくとスザクを締め付けた。

「ルルーシュ…、じゃあ一緒にイこう?」

スザクはルルーシュの奥まで突き上げる。

「あっ…、だめぇ…っおくは…そ、んな…っぃやあぁっ」

ルルーシュは一層甘い声を上げた。

「んん…っすざく…スザク…おねがい……ぎゅって、して…?」

ルルーシュの可愛いお願いに、スザクは喜んで応えた。

「ルルーシュ…愛してる」

スザクはルルーシュを抱き締めたまま囁く。

「ぁっ…あっ…スザク…すき…すき…っぁっ、ふぁあああんっ」


長い時間を掛けて丁寧に導いた絶頂は、桁違いに深い。

スザクが中で熱く迸る度、ルルーシュも溶けて無くなってしまうような、堪らない快感に満たされた。


「…ぁ…そんなにだしたら…あふれちゃう…」

ルルーシュは激しい波が去ってからも、未だ身体にじんわりと残る甘い痺れにぼうっとしたまま呟く。

「…大丈夫、まだまだ沢山注いであげるから」

「え…まだでるの…!?」










「ん…アラーム鳴ってる…」

「んん………」

返事かどうかも定かではないルルーシュの声を聞きつつ、スザクは怠そうにアラームを止めた。

スザクが寝呆け眼で半身を起こそうとすると、細い腕が絡みついてくる。

「…ゃ…ねむ…いぃ……」

そのまま背中にふにゃりと柔らかい物が押し当てられて、スザクは心臓を跳ね上げた。

…どうしよう。

スザクはその状態でかなり真剣に考えた。

寝起きであるのも加算されて、今非常に危険な状態である。

このまま事に運ぶのは容易い。

しかし昨日は何だかんだ言って、あれからもしっかりと頑張ってしまった。

それに、今日は午前の講義の後、少し遠くの方まで遊びに行く予定なのだ。

外ではやはり家の中のようにはいかないが、友人がいない場だと少しは素直になってくれる。

ルルーシュとの楽しい予定は潰したくない。

それでも後ろ髪を引かれる思いで、スザクはシーツから出た。

「…ルルーシュ、今日は一緒に出掛けるんだろ?朝御飯作っちゃうから、その間に起きてね。あ、下着ここに置いておくよ」

「んん……」





「スザクー?」

玄関からルルーシュの呼ぶ声がする。

「ごめんっ」

荷物の用意に少し手間取ったスザクを待つルルーシュに、望み通りキスを与えた。

これから出掛けるので、少しだけ舌を舐めてから離れる。

「行こうか」





「お、スザク、ルルーシュはよーっ」

構内でこちらへ向かってくるリヴァルに二人は挨拶を返す。

「なぁ、今日さ午後暇?」

「ごめん、今日は無理なんだ」

即答するスザクにリヴァルは残念そうな声を上げた。

「ルルーシュも?なんだよお前等デートぉ?」

「ん、まぁね。ね?ルルーシュ」

からかうように言ったリヴァルにスザクは嬉しそうに返し、ルルーシュに振るが。

「………ばか」

ルルーシュは辛辣な一言を残すと、ついと顔を背け、その場から去ってしまった。

「ひぇー恐えー」

リヴァルが大袈裟に身震いのジェスチャーをする横で、スザクは笑いを堪えていた。

ルルーシュが顔を反らす前の一瞬、その頬が真っ赤に染まったのを見たのだ。

…可愛いな。


スザクはルルーシュの後ろ姿を見送りつつ、今日のデートを楽しみに、そしてくすぐったいような幸せを秘かに感じていた。

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