ルナミの実
□みかん畑
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ナミはみかん畑で読書をしている間に、うたた寝をしてしまった。
ナミ「ベルメールさぁぁん!!!」
ナミは肩を揺さぶられて目が覚めた。
ナミ「…ルフィ。」
ルフィ「大丈夫か?うなされてたぞ。」
ルフィはナミの肩から手を離した。
ナミ「何か用?」
ルフィ「つめてぇ〜な!別に用はないけどよぉ、ナミどうしてっかなぁ〜って気になっただけだ。シッシッシ!」
ナミ「別にどうもしてないから大丈夫よ。私、読みたい本があるから邪魔しないで。」
ナミは手元にあった本を開いて読み始めた。
ルフィ「…でも寝てたじゃねぇか。」
ナミ「うっさいわね!ちょっとうたた寝しただけよ!悪い?静かにしてよ。」
ルフィ「おう。わかった。」
ナミ「……。」
ペラッ(ページをめくる音)
ルフィ「……。」
じぃ〜(ナミを見つめる音)
ナミ「……。」
ペラッ
ルフィ「……。」
じぃ〜
ナミ「もう!なんなのよ!!」
ルフィ「ビクッΣうおっ!びっくりしたぁ。ナミこそ急に何だよ!!」
ルフィは驚いて尻餅をついた。
ナミ「そんな目の前でじぃ〜と見られてると集中できないの!」
ルフィ「でもオレ、ちゃんとナミに言われた通りにしてたぞ。じゃあ、隣ならいいのか?」
ルフィはナミの隣に座った。
ナミ「ったく。はぁ…。」
ルフィ「にっしっしっしっ!」
ナミは気にしないことにして、本に目を戻した。
だが、ルフィがナミの顔をのぞき込んだり、腕が触れるくらい近づいて本をのぞき込んだりしたため、気が散って本の内容が頭に入らなかった。
しばらくすると、急にルフィが肩にもたれかかってきた。
ナミ「ちょっと///ルフィ!///」
ナミが怒ってふり向くと、ルフィはすやすやと寝ていた。
ナミはルフィの子供のような寝顔に怒る気がうせてしまい、そのままにしておくことにした。
やわらかい風が吹き、ふわぁっとルフィの髪の毛がナミのほほをくすぐった。
ナミ「この香りは…ルフィ…また私のシャンプー勝手に使ったのね。」
ルフィ「んが〜。(いびき)」
ナミはルフィの髪の毛にふれて、自分のカーディガンを肩にかけてやった。
ナミ「こいつ。リンスまで使ったのね。髪の毛がむちゃくちゃサラサラじゃない…。バカ。」
ナミはルフィの頭を小さく小突いて、本を閉じ、自分自身もルフィに寄りかかった。
思ったよりもたくましい肩に少し胸がキュンとした。
そしてナミは、この穏やかな時を幸せに感じ、眠りにおちた。
end