ルナミの実
□夕日
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風のない穏やかな午後。
クルーたちはそれぞれの場所でそれぞれくつろいでいた。
サンジは夕飯の支度をするためキッチンへ、ロビンは読書をしていて、ある2人を除く他のクルーは居眠りをしていた。
その2人とは……
ナミとルフィだった。
しかも何だか騒がしい状況になっていた。
ナミ「……え?」
海図を描いていたナミは手を止めて言葉を疑った。
ナミのベッドに勝手に座っているルフィは足をバタつかせていた。
ルフィ「だからよ〜、さっきから言ってるだろ!キスしてくれよ!」
ナミ「…なっ!////何言ってんの?///ふざけないでよ!殴るわよ!」
ルフィ「何でだよ!サンジやゾロに『海賊王になりたいのにキスの一つも知らないとはな!』って笑われたんだ!!だから頼むよ、ナミ!この通り!」
ルフィは履き物を履いたままベッドに正座をし、手を合わせて懇願していた。
ナミは深くため息をついて、少し期待してしまった自分に「バカ」と小さくつぶやいた。
ナミ「あんたね〜、キスの意味わかってるわけ?ってか土足でベッドにあがらないでよ!!ぶん殴るわよ!」
ルフィはそそくさと履き物を脱ぎ捨て、座り直した。
ルフィ「知ってるぞ、女と男が………唇を合わせるんだろ?///…言わせんなよ////」
ルフィはくねくねして照れながらニヤニヤしていた。
ナミ「…気持ち悪い行動しないでよ。とにかく!私は忙しいの!ロビンに頼めばいいじゃない。」
すると急にルフィの顔色が変わり、なにやら黙り込んでしまった。ルフィはベッドからおりてナミがいる机の近くまできた。
ルフィ「…嫌だ。」
ナミ「は?」
ルフィ「おれはナミじゃないと嫌だ。」
ナミ「えっ?////」
ルフィはナミの目の前にきて肩をつかみ、触れるだけのキスをした。
チュッ。
ルフィ「…誰でもいいなんて思ってねぇよ。」
ナミ「/////…ル…フィ…。」
ナミはルフィに抱きつき、キスをした。
窓からは昼と夜の狭間であるオレンジ色の光が射し込んでいた。
ちょうどその頃、読書を終えて眠りから覚めたゾロとオセロをしていたロビンは驚きの声をあげていた。
ロビン「剣士さん、夕日をみて…。」
ゾロ「あ?夕日?な、なんだありゃあ!夕日がハート型に…?」
ロビン「私の故郷ではね、この夕日の下で口付けを交わした男女は永遠に結ばれるっていう言い伝えがあるのよ…。」
ゾロ「…へぇ。」
ゾロは夕日を浴びたロビンを見つめたあと、床に寝転んだ。
ふと、部屋のほうを見ると、窓越しに、ルフィとナミがキスしているのを目撃してしまった。
ゾロはビックリしたが、何故だかなんだか穏やかな気分になった。
ゾロ「…おい、ロビン。」
ロビン「何かしら?」
ゾロ「案外、その言い伝えは……いや、何でもねぇ。寝る。……ぐか〜。」
ロビン「まぁ!うふふふ。」
ロビンはオセロを片付け、ゾロの隣に寝そべって夕日を眺めた。
end