+忘却のマリア+

□第12話 イーストの神速
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「ウエストゼネティックス第2小隊出撃する!」

「って、大将が1番乗りしちゃダメですよ!」

「ソラヒメっ!?」


(あんまり、よくない状況だね……)


上空から地上を見下ろしながらソラヒメは冷たい笑みを浮かべた。


「ソラヒメ! あんたには護衛を付けるから……!」

「えっ!? やだな、そんなのいりませんし、1番乗りは私ですからっ!!」


言うが早いか、ソラヒメは飛行機から飛び降りた。


「待ちなさい、ソラヒメ!!」

「やっぱり、あの子バカよ……」

「あ〜! もうっ!! 第2小隊いくぞ!!」


桜子に従い、第2小隊も戦線に参加する。





第12話 イーストの神速





『フリージング』



「よっと、絶好調〜!」


フリージングを展開しながらソラヒメはノヴァの真ん前にキレイに着地した。


「ソラヒメ!!」


続いて桜子達、第2小隊も着地する。


「桜子先輩。取り合えず止めましたよ〜」


言葉通りソラヒメのフリージングはターゲット3の足を止めた。


「そのまま捕まえとくのよ!」

「は〜い!」



ズキン



「ちっ……!」


フリージングを展開させている左腕に痛みが走る。


(さすがはノヴァ……。長時間はもたない……!)



シュン、シュ、シュ、シュン



足は止めたが触手までは止められず、無数の触手が襲いかかる。


「デコイ、拡散しろ!! ストライカーを上げさせろ!!」


桜子の指示に従い、ストライカーがターゲット3のコアを露出させる。



ドクン



「くっ!? 桜子先輩!! 離れて!!」

「っ!? 散れっ!!」


トドメを刺しに飛び上がった桜子をソラヒメが止める。

桜子も何かを感じ取ったのだろう、慌ててノヴァから離れる。



ドガアァァァン



「……なに?」


今まで桜子や第2小隊の面々がいた場所がターゲット3の光線により消し飛んだ。

同時にソラヒメのフリージングも中和され、ターゲット3は完全に自由になった。


「ちっ……! フリージンっ、うわぁっ!!」



シュン、シュ、シュン



「ソラヒメっ!!」


ソラヒメのフリージングを厄介だと感じたのか、ターゲット3は標的をソラヒメ1人に絞った。

だがソラヒメもそう簡単にはやられず、アクセルターンでその触手を避けながら攻撃に転じる。


「舐めんなよ〜!」



『テンペストターン』



「これでどうだっ!?」


ソラヒメは7人に分身した。


「「「鬼さん! こっちら、手のなる方へ!」」」


自らデコイの役割りを果たすと、ターゲット3を撹乱させる。


「「「こっちだよ〜!」」」

「「「こっち、こっち〜!」」」

「ソラヒメ!?」

「フィニッシャー準備してください! もう1度止めます!!」


桜子と会話を交わしながらも7人の状態を維持し、ターゲット3の触手を躱し続ける。





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