キョンのNOVEL3

□四章
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次の日、僕は廊下で拡輝と話しをしていた。
空ちゃんとどうなってるのか聞いたりしていた。
…そもそもなぜ廊下なのか。
昨日は結構寝たので居眠りという訳ではない。
なのになぜか。
昨日僕は鈴香と公園で休憩していた。
その時彼女が不意に寄りかかって来たのだ。
複雑な心境で寝顔を見ていた僕をたまたま見掛けた人がいたのだ。
…その人こそ今僕の目の前に立っている拡輝だ。
その事で授業中僕を茶化しにきた。
当然あること無いことをイヤらしく問い掛けてきた訳で。
ついいつもの癖で大声を張り上げてしまった。
もちろん怒られた。
その後今に至るわけだ。
「なぁ、拡輝。土曜はどこに行ったんだ?」
「えっと、確かゲーセンに行ってプリクラ撮ってゲームして雑貨屋で色々見てたぐらいかな。なんならプリクラ見るか?」
見たくないよ、ていうか見てたまるか。
「ちょっと待て、ゲーセンに行ったのか?」
「あぁ行ったよ」
「その時あのゲームやったのか?」
ちなみにあのゲームとはこの前拡輝とやったあれだ。
「うん」
常人では理解し難いあの指の動き、スピードを見せてしまったのか。
完全に嫌われたなと僕は思った。
「いやぁ空のやつ、めちゃくちゃ強くてさぁ。引き分けちゃったよ」
ポリポリと頭を掻きながら言う。
空ちゃんもゲーマーか。
人は見かけによらないとはまさにこのことか。
「似た者同士で良いんじゃないか」
それしか言葉が出てこなかった。
「それよりかさぁ、隣のクラスの鈴香だったっけ。お前いい感じだったじゃないかよ」
そんなこと言われても僕にどうしろと。
「寝てる間に襲っちゃったとか?おいおい積極的だなぁ」
「バカ野郎!するわけないだろ!」
「こらぁ!てめえらは廊下にでてもまだ反省してないのか!」
しまった。
つい癖で大声を張り上げてしまった。
教室で真がクスクスと笑っているのが垣間見えた。
その後先生に説教を延々されている内に昼休みになった。
「二人は二年生になっても変わらないね。見てて凄く楽しいよ」
また笑い始めた。
「いやぁ、こいつが何かあるとすぐにさけぶんだよ。おかげで俺まで立たされるはめになっちゃうんだよ」
僕のせいかよ。
そう言い返そうとしたがまたすぐに色々と言ってきたら面倒なので心の内にとどめておくことにした。
とりあえずトイレにでもいこうと思い教室を出た。
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