The end of eden〜楽園の終焉〜

□第六話
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少し遅めの夕食。

俺が作っている間、ずっと雲雀さんと骸さんは目で早く作れと訴えていた。特に雲雀さんが。怖いって。

というか、早く作れと目で訴えつつも、彼らは一切手伝おうとしなかった。

まぁ、そうだろうと思ったけどね?・・・別に悲しくなんてないやい!

いつもよりちょっと高級なカレーを食べつつ、俺は先ほどの話を雲雀さんに話した。

少しくらい反応があるかなぁと思えば、・・・お前もかブルータス。





「ふーん、そうなんだ。いいんじゃない?僕としては自由に行動できるから都合が良いけど」





そう言って、カレーを一口。

彼らの好みをうっかり聴き忘れて、適当に辛口にしたが特に支障はないようだ。

俺は全く危機感を持たない彼らに、溜息を吐きたくなったが何とか堪えた。

また、トンファーで殴られそうだし。





「それよりも僕は、君が親にどう僕達の事を説明するのか気になるんだけど」

「そういえば、どう言うんですか?」





不思議そうにこちらを見遣る瞳。俺はおや、と軽く目を瞠った。





「あれ、言ってなかったけ?俺、両親共々俺が生まれて直ぐに亡くなってるんだよ。だから俺は今一人暮らしだよ。だからそんなに気にしなくて良いよ」





スプーンを口に運ぶ。・・・うむ、今日のカレーは中々の出来だ。何せ、ちょっと高級な野菜を使ってるしな。

もしゃもしゃと食べていると、二人は何処か意外そうな顔をしていた。何故に。





「ちょいとお二人さん、何でそんな俺が一人暮らししてることに不思議がってるんだい」

「意外に、君は不幸な少年なんだと思ってね、君の両親も喧しいと思ってた」

「・・・喧しいって何よ、喧しいって」

「では、君をここまで育てたのは、誰ですか?まさか一人で生きてきたというわけではないでしょう?」





お茶を一口飲む。俺は微かに眉根を寄せた。





「・・・何か、さっきから質問ばかりだね。聞いてもどうしようもないのに」

「ただの好奇心だよ、良いから早く答えなよ」





いち早く食べ終えたらしい雲雀さんが、じっと見る。

骸さんも興味があるのか、こっちを見ている。

好奇心旺盛だなぁ、子供かよ。

そっと溜息を吐いて、俺は口を開いた。





「さすがの俺でも一人じゃ無理だなぁ。両親の幼稚園の頃からの悪友の人に育ててもらったんだよ。俺の後見人」

「へぇ。で、その後見人に僕らの事説明しないの?」

「しないよ。だって今その人海外に旅行中だし、滅多なことじゃこの家に来ないし、連絡もない。そもそも、昔は兎も角今じゃ別々に暮らしてるしね。知らせる必要はないよ」





後見人が、両親の知り合いになっているのは、祖父母も既に亡くなっているからだ。

ちなみに、後見人も陰陽師だ。聖と同じく安倍家の人間。

海外に居るが、仕事と旅行も兼ねている。数年は帰って来ないとか何とか言ってたしな。

高校に進学と同時に後見人は海外へ行くって言って、俺は後見人の家を出て一人暮らし。





「(そうか、あの人の家を出てもう一年経っているのか)」





改めて認識したよ。
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