02/01の日記

15:14
一年限りの魔法使い(蒼天×魔法)
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〜第一幕〜


※現代設定の蒼天とハリポタの混合です。
名前はデフォルト名です。








平安時代、また会おうと半ば一方的な約束を交わしてから千年後の平成。

長い長い時を経て再会した時は、散々遅いだののんびりしすぎだの言われまくった。

千年も経過すれば何かしら変るかと思ったが、何の因果か時代が変っただけで状況も環境も何もかもが変らなかった。

高校入学と同時に実家を出て、再び彼らと生活を始めた。

矢先の、事であった。

学校から帰ってきた蒼樹がドアへと手を掛けたとき。




「Hello.」




日本語英語ではなく、生粋の英語が聞こえ思わず手を止めた。

振り返れば、尚更驚いた。

片手を挙げてニコニコと笑う蒼い瞳。

ただの外国人であればよかった。

だが目の前の外国人を普通とは形容し難いにも程がある。

一寸、どのくらいか測ってみたいと思った髭に、マントなのだろうか、ずるずる引きずる布。

ピエロの如き、先の尖った靴。

お世辞にも普通とは言い難し老人がにこやかに蒼樹へと笑いかけてきた。




「Is it me?」
(俺ですか?)




英語は不得手なのに、と内心泣きながらも何とか単語を頭に思い浮かべて自身を指差し問う。

老人は笑みを絶やさず、蒼樹へ近づき頷いた。




「Oh, it is the street. I have business to you.」
(おお、そうとも。わしは君に用があるんじゃよ)




用がある、と言われても、だ。

残念ながら蒼樹は老人と知り合いでもなければ顔見知りでもない。

老人繋がりならば某大陰陽師しか居ないが、あの陰陽師もこの老人と知り合いではなかろう。




「・・・Excuse me, are you the first meeting with me?」
(失礼ですが、俺と貴方は初対面ですよね?)

「It is so.」
(そうじゃよ)

「However, to me business?」
(それなのに、俺に用が?)

「Yes, it is so.」
(ああ、そうじゃ)




そこで漸く蒼樹は、目の前の老人がただの老人ではないことに気がついた。

纏うものが、自分によく似ていたのだ。

否、似ているが何処か非がある。

霊力、とはまた別物なのだろうか。

兎にも角にも話を聞いた方が良い、蒼樹は息を吐いた。




「・・・I understood it. Let's hear a story. But I am weak in English. I am fortunate if possible when I talk slowly.」
(解りました。話を伺いましょう。ただ俺は英語が不得手です。出来ればゆっくり話してくれると有難いです)




早口で言われると追いつけない為、時間が掛かってもゆっくり言ってもらわないと困るのである。

そう言うと、老人は目を何度か瞬きぽんと手を打ったかと思えば、懐から細い木の棒を取り出した。

怪訝そうな表情を隠さない蒼樹ににっこりと笑い掛ける。




「It was so. I completely forgot it.・・・これで良いかの」
(おお、そうじゃった。すっかり忘れておったよ)




目を瞬いたのは、今度は蒼樹の方だった。

いきなり取り出した棒で何をする気なのだと思えば、一振りしただけ。

だというのに、見事な日本語を話し始めたのである。

驚くのも無理は無い。




「・・・えーっと・・・?」




実は日本語が話せましたというオチではなかろう。それにしては訛りもなく流暢だ。

声だけを聞けば、相手を日本人と間違えてしまうほどに。

何と言えばいいのかと躊躇った蒼樹に、老人は棒をしまいながら爽やかにのたまった。




「わしの名はアルバス・ダンブルドア。魔法使いじゃ。陰陽師である君に頼み事があって来たのじゃよ、天川蒼樹君」




何が起こったのか脳内処理に追われつつ、頭の片隅で思った。

このアルバス・ダンブルドアの笑顔は如何見てもとある大陰陽師に似ている、と。




平成の世でもまだ、平穏な暮らしを望めないのかと、ぼんやり太陽の日差しに目眩んだ。







**************

前サイトの時、アンケで蒼天とポタの混合が見たいというコメントを見て思いついた話。
途中まで書いたけど、続きが思い浮かばなくて断念。
これの続きがあとひとつだけ。

結局主人公が出てこず、ポタキャラはダンブルだけという。

なんともがっかりな話だよ!



あ、英語はやほー翻訳です。

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