少年陰陽師
□鏡の檻をつき破れ
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―……よ 声が聞こえる。
―…応え
恐ろしい、おぞましい「声」が。
聞いてはいけない。応えてはいけない。
それを破れば、あの恐ろしい妖に囚われる。
聞いてはいけない。
応えては―
そこで、少女は目覚めた。
ガバッ
『今のは…彰子…。また狙われている!?翡翠!!』
陰陽師の見る夢には意味があると言われている。そして東三条殿を探るとかなりの妖気を感じた。
「どうした、秦」
『今すぐ東三条殿に連れて行ってくれ、彰子が危ない!』
「分かった!」
秦は単衣の上に一枚羽織ると白虎の風に包まれて東三条殿に向かった。
―その頃晴明は
ガタガタガタ!
どこに向かうのだろうか。急いでいるからか四神・白虎の神気と風が当たるので目が覚めた。
「天一、四神様はどちらに」
「秦様もご一緒です。今、六合と白虎が追っています」
「そうか…何かあったんじゃろうか。太陰」
晴明が名を呼びかけるとそこに見た目10歳位の少女が現れた。十二神将が一人、太陰だ。
「どうしたの晴明。こんな時間に」
「白虎に状況を送るように言うのじゃ」
「分かったわ」
晴明は布団から出ると単衣の上に何枚か羽織って、机の前に座ると秦の帰りを待った。
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