短編

□服部平次
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ぴんぽーん

『服部平蔵さんはご在宅でしょうか。私、警視庁から参りましたノアと申します』

ノアは17歳の少女姿を虚々に変化させてもらい服部邸に来ていた。

「は⁉︎ノア?ノアか、なんでここに」

『あ、平次か。あなたのお父様と約束してるから玄関開けてもらえる?』

「わかった、待っとけや」

インターホンでの会話が終わった直後、すごい勢いで近づいてくる足音。

ガチャ

「なんでノアが…ってなんやその姿は!?」

『警察からの要請時だけこの姿に固定したんだ。ここに来たことは、ま、お楽しみって事で。平蔵さんにはアポとってるんで案内してください』

ノアはニコッと笑って平次を促した。


「よぉ来たな、小田切警視から話は聞いているよ。ノアさんやったな」

『はじめまして服部本部長さん。平次君にはいつもお世話になっております』

平次には退席してもらい二人は向き合う。

「彼から聞いているよ、君が小田切警視の元で裏から捜査に絡んでいることはね。どうやら君の能力が高い事をかっているらしいね」

『そのようですね本題に入りましょうか、単刀直入に言います。もし、大阪で事件に遭遇したら私を捜査に加えていただきたい。もちろんそれなりに働かせていただきますよ』

平蔵は今までノアが行なってきた実績を知っているからこそすぐに返答できないようだ。

『ま、うまく行く事を願って一つ能力をお見せしましょうか』

ノアは虚々の能力で瞬時に彼の息子である平次に姿をかえる。

「その姿は…」

『ま、こんな感じに姿変えれるっちゅーわけや。あなたの息子さんは既にご存知ですよ』

ノアは平次のモノマネをしながらも目を鋭いものに変え、姿を元に戻す。

『利用できる者を利用してください。私も私の為に貴方方を利用するのですから。あなたの部下、遠山さんとよく話し合ってくださいませ。できれば秘密裏に、そして返答が是である場合は平次君に私の電話番号を聞いてください。期間は一週間としましょうか、いい返事を期待しています。では失礼致しました。』

ノアはスッと立ち上がると、平蔵の部屋を出て行った。



「なんでノアが親父に用があんねん」

部屋から出てきて平次の気配がする方へ向かうと平次の部屋にたどり着く。

『うーん、今から暇?お昼食べに行こうよ』

「俺の奢りでかいな…」

『…お好み焼きが食べたいな』

平次の言葉をスルーして行き先を告げる。

「しゃーないな、わかったわかった。じゃあ行こか」

『わーい、やった!』

ノアは平次のオススメのお好み焼き屋さんに向かった。



「で、教えてくれるんやろな」

『うん?』

「親父と話してた内容や」

『別にいっか、ただのついでだしね』

机から乗り出してノアに真剣な目を向ける平次。

『ただ、大阪で事件に巻き込まれたら私に捜査協力させてほしいと頼んだだけだよ』

「それだけか」

『それだけ』

白状したにも拘らず平次はますます疑ってくる。

『警察とは繋がりが深いほうが立ち回りやすいからね。』

ノアはニヒルな笑みを浮かべて平次をみる。

「ま、そーやな。しゃーない、もうこの話は終いやメシもマズーなるわ。もしなんかあったら大阪府警より俺に電話せーや、出来る限りは助けるさかいに」

『…ありがと、平次。そーさせてもらうよ』

この後、別に話すこともないノアはゆっくり食べて観光案内をさせることにする。

『この辺で見といた方が良い場所ある?』

「! あるがな、ぎょーさん!この後連れていったる」

『んー、じゃあお願いするかな』

「おう、大船に乗った気分でついてこいや!」

ノアらはお好み焼き屋から出ると次の目的地に向かった。

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