短編

□真田貴大
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「ノア!どこ行くんだ?俺らとキャンプ行かねえ?」

コナン達の動向を探るためのアジトのひとつから出てきて阿笠博士の家の前を通ると同時にコナンに見つかってしまった。しかし彼はこれから博士達とキャンプだ。なんの問題もない。

『ごめんねコナン。今日は先約があるんだ、デートなんだ』

「キッドか!」

『違いますー。貴大とです』

「貴大?」

『ビック大阪の真田貴大だよ。じゃ、キャンプいってらっしゃいー』

ノアはそれだけ言うとコナンについて来られないように全速力でその場から離れた。


『あー、待った?貴大』

貴大達ビック大阪はこの度東京に遠征に来ていて、久しぶりに会おうと言っていたが予定が合わずやっと今日時間を合わせる事ができた。

「俺も今来たとこや、男は早めに来て待つのは常識や、って比護さんが言うてたわ。で、どこ連れてってくれるんだ?」

『んー、昼食はまだだよね。凄い美味しいとこ知ってるんだ』

二人がやって来たのは少し裏道にある知る人ぞ知るパスタ屋さんだ。

『こないだは頑張ったね貴大。あの時はかなり精神的にも疲れただろうけど。隆佑の怪我はどうなの?』

「あれはビビったわ、もーあかんって思ったし。ま、あれもえぇ思い出や今やから言えるんやけどな。比護さんやったら今日ノアに会えんこと悔しがってたわ。」

アレとはこないだ行われた国立競技場を含めた爆弾事件だ。犯人は爆弾を国立競技場を含む十箇所のサッカーの試合会場のクロスバーの真ん中に仕掛けていて、それを試合中の選手達に試合終了までに解除するように命じたのだ。スタジアムで満員の客を人質に取って。貴大もその1人だった。元々は比護の役目だったが彼は怪我を負い控えの真田がそれを担ったのだ。国立競技場の爆弾は犯人が不発の物にしていた為、より貴大は焦ったはずだ。

『それは良かった、また隆佑に電話しとくよ。』

「おう、比護さんも喜ぶわ」

二人は微笑ましく食事を続けた。

pulpul …pulpul!

「…噂してたら比護さんから電話や。ちょー待っといてな!」

貴大はノアに断りを入れて席を立って店を出て行く。比護は貴大がノアと会っているのを知っているからよっぽどの事がないと連絡して来ないだろう。

「あっ、ノアさんお久しぶりですね」

『探、久し振り。戻って来てたの?仕事?』

ノアに声を掛けたのは少し前に知り合った新一や平次と同じ高校生探偵の白馬探だ。

「えぇ、まぁ。今度また時間がある時に誘ってもいいですか」

『構わないよ。特に予定は今の所ないから連絡して』

「分かりました、ではすいませんがまた。」

探は素早くその場を後にした
。先程曖昧な返事だったのも仕事途中だった可能性は高かった。

「スマンノア!比護さんが戻って来いて!」

電話が終わって戻って来るや否やパンッと手を合わせて謝る貴大。

『いいよ、行って。また会えばいいじゃん』

「ほんまスマンなノア!帰りに渡そと思っとったんやけど、これ観に来いや。あのガキらの分ももらって来たさかい!」

手渡されたのはサッカー観戦に必要なチケットだった。それもかなりいい席。

『ありがと貴大。絶対行かせてもらうよ』

「おう!俺の活躍観に来てな」

貴大は携帯で時間を見て慌てた様に出て行く。しっかり昼食代を払ってるとこみると隆佑に言われてたのだろう。彼がそこまで気が回るとは失礼ながら思えなかった。

プルプルプル…

[比護隆佑]

『隆佑。…はい』

「悪りぃな、折角久々に会ったのに」

『構わないよ仕事なんだから。隆佑、チケット貴大から受け取ったよ。この時までにしっかり治しておいてよ』

「ああ。」

隆佑とは足早に電話を終わらせパスタを食べ終わったノアは余ってしまった時間潰しにぶらぶらと買い物することにしたのだった。

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