少年陰陽師
□闇の呪縛を打ち砕け
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―昌浩、騰蛇SIDE―
「ねぇ、あの子は誰なんだろう」
昌浩は、肩に乗っているもっくんに問いかける。
「分からない、だが霊力は晴明より優れていた。」
もっくんはかなり思案しているようだ。
「そういえば俺、様付けで呼ばれたような…それに、あの子を囲んでいたのは式神かな」
「ああ。四人はそうだったが、後の二匹は妖気を持っていた…式だな…!!」
<ピクッ>
もっくんは何かに気付き、昌浩のそばから離れた。
「えっ・・・何?」
上を見ると何十匹ものの雑鬼が降り注いだ。「孫〜!!」という言葉とともに。
「孫言うな!」
昌浩が次の言葉を言う前に、雑鬼の一匹が話しかけた。
「孫〜、お前の親戚にあんなに霊力が強い奴いたか」
「?」
「お前の屋敷の方に、でっかい銀色の狼に乗った奴が向かっていったぜ!」
「まさか…ありがと雑鬼、またな」
昌浩ともっくんは顔を合わし雑鬼に礼を言うと、家に向かって走っていった。
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