少年陰陽師
□闇の呪縛を打ち砕け
6ページ/58ページ
―安倍邸―
『戒、銀月掴まれ。空間移動するよ』
秦達は晴明の部屋前の庭に来た。
中には五人の神将が警戒している。
『まぁ仕方ないか…。夜分に申し訳ございません。晴明様』
秦は片膝を立て膝まづいて礼をする。
横にいる式も秦に倣い、頭を下げる。
「先程の…入りなさい」
秦は晴明に許可をもらい、晴明の部屋に入り正座をして挨拶とお詫びをする。
『晴明様、私は睦月、いえ安倍秦と申します。千年後の未来から参りました。晴明様を始祖とした安倍家の次期当主候補で、天孤の血も受け継いでおります。』
「…少し前に高於神様から未来から安倍の者が来ると聴いていたので、先程の霊力を見てあなたかと思っていました。昌浩を助けていただいてありがとうございました。」
晴明は秦に感謝を込め礼をする。
『いいえ、先祖を助けるのはあたりまえです。それより間に合ってよかったです。』
僕はにっこりと笑いながら晴明様に向かっていった。
.