TS長編部屋
□これは日常
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―――グォオォオオ……
重低音が響く。
地面がビリビリと震える。
音の主は二足歩行をし、さながら工事現場の親父よろしくな恰好をしたモグラ……。
見た目こそには愛らしいとも言えるその姿から発せられたその声には、恐怖感すら覚えられる。
そして、思いきり地を蹴り、その巨体からとは思えない俊敏な動きで手に持つ凶器で孤を描く。
あまりに勢いをつけたためにか、凶器は硬い岩盤を砕き突き刺ささる。
必死に抜こうと奮闘しているそのモグラ――いや、モンスターの背後に黒き光りが集まる。
「―――ヘルファイア」
凜とした声が響き渡った直後、モンスターの足元から黒い炎が現れる。
そして、その炎はモンスターをあっという間に飲み込み―――
「ギィイィィイィィ!!!」
断末魔にも似た高音の叫び声があがる。
ドシィンと、大きな音を立てモンスターはその場から動かなくなった。
すると、モンスターの体が分解されるように細かな光りの粒となり空中へ消えていった…。
モンスター消えた場所には二つの丸いイラストの入った板が残っていた。