シフォンケーキ

□単純物語
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「丸井ぃ――――!」
「うぇ?!」


単純物語


「んだよ、ジャッカルか…驚かせんなよ」

口にお菓子を放り込んだ直後の出来事に危うくむせかえる思いをしそうになった丸井は、その原因とも言えるジャッカルを一瞥するとまた、別のお菓子へと手を伸ばす

ひょいっ

「!、あ!おいなにすんだよぃ」

「それはこっちのセリフだ!!」

そのお菓子を丸井の手から離すように取り上げたジャッカルは丸井のセリフに顔をヒクつかせいびつな笑顔を浮かべている


「んだよ…返せよお菓子ー」

若干の某ブルジョア学園の2年前のセリフを思い出しながらジャッカルはお菓子をさらに丸井から遠ざけた。しかし、丸井の前にはその代わりともいうような一冊の本が差し出された

「?、何コレ」

「良く見てみろ」

頭の上にたくさんの疑問符をくっつけながら徐(おもむろ)にその本を持ち上げる

「んあ?これ歴史の教科書じゃん!!…ってなんで?」

「これ、お前見覚えあるよな?」

「はあ?、授業で使ってんじゃん」

なにを言ってるんだこいつと言う視線にジャッカルは少しも怯まず

「そうじゃなくて!!この教科書は誰のだよ?!」

無言でネーム欄を見る

「…ジャッカルの」

「そう!俺のだ!」

(…何言いたいんだろうコイツ)

「それじゃ、これを描いたのは誰だ?」

教科書の中から一枚の写真を指差す

「絵描きさん?」

それは人物画で、事こまかにその人物の特徴を捕えた一作品。聖徳太子や、徳川家康などのよく歴史の教科書で載っている写真を思い浮かべてもらいたい

「んー…まあ正解、だと思う」

「???」

「…じゃあこの絵描きさんが一っっっ生懸命描いたこの顔に髭やら、黒子やら、鼻毛やらその他諸々(もろもろ)をご丁寧にも付け足してくれたのは何処のどいつかな?」

「!…あ、あーえっと…だ、誰だろうな!いけないよな!うん。本っ当許せねー!!」

「…」

じー

「一体だれが…」←キョドル

じー

「そ…んなこと」←口ごもる

じー

「し…――た、ん、だ…」←冷や汗+目を逸らす+さっきからの無言の圧力=…

じー









「すんませんっす!俺やりました――!!」←自白


華麗な土下座をキメる丸井にこれまた華麗な笑みを浮かべるジャッカル

「うん、今回で何度目だ?こうして落書きするの」

「はい!、13回目です」←挙手

「はっは〜残念14回目だ!お前はいつもいつもいつもいつも人の話を聞かないで同じこと繰り返しやがって〜〜!」

「だから、悪かったって!、それに今回は顔の落書きじゃねーし大目に「どの口が言うんだどの口が」いひゃいれす!ひゃっかるひゃま」

「今回のはなおさらタチ悪ぃーよ」

「パラパラ漫画じゃんたかが」

「その『たかが』に怒ってんだよ!、授業中にこれ見つけて見てたら悔しいが面白くて吹いちまってなぁ!!案の定皆に注目浴びるわ廊下に立たされるわ…!とにかく大変だったんだぞ!!」

「お…まじ?、面白かった?!やっぱ俺って天才的ぃー?」

さっそくジローにメールしよ!と意気込んでいる丸井にジャッカルはふつふつと行き場のない怒りを覚える


「〜〜まーるーいー…」

ビクッ


「あ…ジャッカルさん、ちわっす!俺ちょっと用事があry「丸井――――――」




その後チャイムが鳴るまでジャッカルに叱られ、小さくなる丸井が居たとか居ないとか…





(ん?あれってジャッカル?)
(丸井の奴もいるみたいだな)
(ふふっ、また何かやらかしたのかな?)
(大方丸井に非がある確率98.6%)
(俺も混ざってこようかな)

タタッ

(丸井…冥福を祈る)



(やあ、どうしたの?)
(ゲっ?!、幸村くん!!)
(!、丁度いい所に来てくれた!!幸村も何とか言ってやってくれよ)
(ぎゃージャッカルマジごめんって―――!!!)

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