シフォンケーキ

□暇を持て余した少女らの遊び
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(ホンッッッットに……暇!!)


暇を持て余した少女らの遊び





「桜乃ー」

(来た…)


放課後のチャイムと共に教室に入ってきたのは自分の親友でありよき理解者の小坂田朋香だ。

しかし桜乃のよき理解者であると同時に桜乃もまた、朋香のよき理解者である

お互いにどんな事を思っているのかおおよその見当は付いている。それこそ何処ぞやの同調(シンクロ)並みに。


だからこそ…だからこそ(重要なので2回言った)彼女は嫌な予感がしてならなかったのだ


「…どうかしたの?朋ちゃん」

そんなに気だるそうな顔して…

「それがさー聞いてよ!」

桜乃の席の隣の椅子に座り肘を付ながら

うんうん聞くよ、と頷く桜乃の反応を横目に朋香はこう一言







「暇」



「は……?」


今何トオッシャイマシタ…?


「だ・か・ら・ひ・ま・な・の!」

「区切って言うほどの事かな…それ」

すっかり呆れ顔の桜乃を一瞥し、ため息をつく

「だって、しょうがないじゃない…」

「たった今放課後になったばっかりだよ?」

「予定が無いのよ、予定が。桜乃は今日女テニないでしょ?」

「え?…あ、うん」

「桜乃を待ってるわけでもないし」

(…あれ?私暇つぶし…?)

「かといって今日は男テニもないから愛しのリョーマ様に声援も送れないし…」

「…」

「…桜乃聞いてる?」

「ハア…、聞いてるよ。そういえば弟君達は?今日は迎えに行かなくていいの?」

なんとか話を作って彼女の時間をつぶさなければ…!?妙な使命感に駆られる桜乃は切り替えるように話を移す……が

「今日は土曜日の創立100周年記念日の振り替えで弟'sは休み…こんな時に休みとかマジないわー」

そう言って机に突っ伏す朋香にこの話題は失敗だったか…と桜乃は苦笑い

「こらこら、弟君に罪はないよ」

「わかってるんだけどさー」

こうも暇だと当たりたくなるというか何というか…そういう親友に桜乃は弟の明日を案じる

「強く生きてね…」

「誰に言ってんの?」

「何でもない…」






とくに何も無くさらに時間は過ぎて行き、フと時間を確認すると時間は30分もたっていた



「あー!!」

ビックゥゥ!!

突然の朋香の張り上げた声に肩をふるわせ、若干縮んだ寿命を気にしつつ、窓に向けた視線を固定したままの親友に声をかけた

「ど、どうかしたの?」

「あれ!!、アレ見てアレ!!」

ビシッ!と窓の外に指をさしあれあれ、と連呼する親友にアルツハイマー疑惑を浮かべつつ、言った通りにその先を窓から眺めてみるとそこには仲睦まじい1組の男女が

「あ!、あの二人…確かC組の…」

「そう!吉野と飯田よ!!嘘ぉーあの二人付き合ってたの?!確かに仲良かったけど…」

「小学校からの幼馴染らしいよー…」

「…リア充!」

「そんな言葉使わないの」

忌々(いまいま)しげに呟く朋香にペイッと桜乃はその頭にチョップ

「う〜だってぇ〜」

「朋ちゃんだってリアル充実してるじゃない?リョーマ君がいるし、カッコイイ先輩方もいるし」

「それとこれとは別よ!、目の保養だけど…」

「…」

「あーもー!こうなったらヤケだ!!桜乃、行くよ!!」

「ふえ?!、行くって何処に」

ガシッと自分の腕をつかむ朋香に困惑した表情を浮かべる桜乃。それに気付いてか一度朋香は振り返りニヤリと怪しげな笑みを浮かべる

「決まってるでしょ!後をつけるのよ」

「人間としてどうなんでしょうかそれは…ていうか止めて!犯罪だよ!観察行為という名のストーカーだよ!!」

「…よし、じゃあ久々にプリ撮ろう!!」

「えぇ〜いきなり?!」

「問答無用!!」


レッツゴー!と鞄を持っていく朋香に(強制的に)連れられ桜乃と朋香の放課後と言う名の暇つぶしが始まった










(なんか、あの二人が常に前に居るんだけど…気のせいだよね?)
(偶然よ偶然!!……ちなみにあたし、今金欠だから)
(はい?!)

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