D’sバレンタイン

□第2章 分かり始めたあなたへ
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「暇だ…暇すぎる」





ここはホームの図書館


広い部屋には天井まで届く程の高い本棚が、所狭しと並んでいる

そして床には入りきらなかったらしい本が、うず高く積まれていた





下手な国よりも、蔵書の数は多いだろう

多種多様の本の多さにも驚くが、赤毛がそのほとんどを読み終えていると言うのは、さらに驚く事だろう





**************



ソファの上で何かを考えるわけでもなく、赤毛はただぼんやりと天井を見上げていた



このまま寝てしまってもいいのだが…生憎、今はそこまで眠くない




どうしたものかと考えながら、赤毛はソファーから体を起こし伸びをした

ふと赤毛の目に止まったモノがあった。




堆く積まれている本の中から、無理やり取り出されたらしいその本を手に取った。







『大切な日の特別な料理〜チョコレート編〜』






「なるほどねぇ…。」


赤毛はほくそ笑みながら、つぶやいた。





そしてまた大きく伸びをして、はずしていたヘアバンドをつけ部屋を出て行った。


ラビの後ろ姿は、何かいたずらを思いついた子供のようだった。
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