D’sバレンタイン

□第4章 知らないよ
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騒いでいた兄がやっと静かになったので、自分も何か食べようとしていた。



チョコのお菓子があるテーブルに向かう、黒髪の少女。



少女の目があるものをとらえた。





フォンダンショコラ





赤毛の少女が作っていたものとは少し違っていた。


そしてあることを思い出す。



そういえば、それは1つではなかった。3つだった。




不思議に思ったが、何てことない。

自分は2つ食べようとしていたのかもしれない。



でも…






『誰かにあげるんだ。』






直感的に思った。


テーブルに並ぶそれではない、わざわざ自分で作ったそれを渡す。

いったい誰なのだろうか。





『また質問が増えちゃったわ。』





思わず笑みがこぼれる。

質問ができたのが、なぜか嬉しかった。



**************



肉をテーブルに必死に並べている人物が見えた。


そしてさっさとまた食べ始めているようだ。

その人物がこっちに気付いた。



**************



「あー、神田。」


「…。」


「返事無しかよ。」



そう言うと何処かへいなくなった…

と思ったら、赤毛は神田の隣に立っていた。



何かを持ってきたらしい。

そばと灰色をした物体。

それを無理やり神田に持たせた。



「何だそれは?」


「見ればわかるだろう?そばとケーキとクッキー。」



さっさと言って目の前の肉にとりかかる。

かなり集中してるらしい。




『これ以上こいつに話しかけても仕方な
い。』



2人は静かに、そして淡々と食べ続けた。
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