The big fours!

□The big fours! 2
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「ただいま、ココット!」


リリシアの元気な声に、疲れに潰れてしまいそうになっていたココットの表情が緩んだ。

ココットは、芸術家として徹夜で作品を仕上げていたあの頃よりも疲れたような顔をしている。


「おかえり、みんな」
「ココット、疲れてるんじゃないか?一番手代わる?」
「…いや、いい。これで20人目、あと半分もない」
「飛び入りも入ってるだろ?予約してこない奴」
「うん。でもはっきり言うと、そいつらのほうが強いよ。予約してくる奴らよりも何倍か」
「でも、」
「大丈夫。…一番目になった時から、覚悟は出来てる」






――貴方と出会ったその日から。

覚悟は、出来ていました。


貴方のためならば、僕はこの地方で指折りの優秀トレーナーになってみせましょう。

その為ならば、芸術家という天職を棄て
孤独になっても構いません。

僕の本当の心、分かって下さるのは貴方だけ“でした”から。




「…次の客は…」
「18番目。…あぁ、やっとだ」


やっと、この人と闘える時が来た――



「お久しぶりね、ナイターくん」
「…あなたは…?…まさか!」


――金色の髪を惜し気もなく靡かせ、黒い衣に皆纏った貴方。

その背中を、僕は追いかけてばかりでした。

けど、もう今は違います。

今は、僕が四天王なんです。

だから絶対に負けない。―――例え、貴方がチャンピオンだとしても。




「思い出したっ!あなた、シンオウ地方のチャンピオン――…シロナね!?」




金髪の女性――"シロナ"は、

にこりと笑って、

ココットの対向線に並んだ。










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