The big fours!

□The big fours! 3
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「ひぃっ…きゃああああ!」


押し寄せる津波。
今にも崩れそうな岩場に、残された少女。
津波の激しい勢いに腰が抜けた少女は、頭を抱え、息を飲む――



「ユキワラシ、"れいとうビーム"!」


次の瞬間、空から現れたユキワラシが"れいとうビーム"をくりだし、津波は氷で出来たオブジェのように少女の前で固まった。

少女が驚きながらも状況を確認しようと顔を上げると、空から、ふわふわと人が降りてきた。


「大丈夫ですか!?」


ユキワラシをモンスターボールに戻し、空から降りてきた人――リリシアは、ニコリと微笑んだ。






今、リリシア達四人はホウエン地方にいる。

アデクの携帯電話に連絡があった後、応戦しようと飛んできたのだ。

ちょうどよくリーグ開催時ではなかったため、協会側からも正式に了承を得てある。
だから思う存分、応戦できる。

…けれど、いざホウエン地方に来てみると、その状況はあまりに予想を上回っていた。

酷い日照りと酷い雨。
ニューキンセツが発見されないままだったら、大変だっただろうな…。




「良かった、大丈夫みたいね」


リリシアがそう言うと、岩場の隅に、セルジオも着地した。


「セルジオ!…この子をニューキンセツに連れて行ってくれる?」
「はい。…お嬢さん、さぁ、ニューキンセツへ参りましょう」
「はッ…はい!」


少女の目がハートマークに変わる。
うーん、セルジオのイケ面(笑)は、こういう処でも使えるのか。

セルジオは少女をお姫様抱っこで持ち上げて、スワンナに飛び乗る。


「リリシアは?」
「私は、もう少しこの辺に人いないか見てみる」
「飛行手段、ありましたか?この岩場は危険です。もうすぐ崩れますよ」
「大丈夫。ランクルスがいるから」


リリシアはランクルスをくりだして、頭に乗せる。
ランクルスはリリシアの頭を大きな両腕で掴み、ふわふわと浮上した。


「"サイコキネシス"ですか。…流石、リリシアのランクルスですね」
「…セルジオ、じゃぁ女の子のことは頼んだよ」
「了解致しました」


セルジオが、キンセツシティへ向かってすごい速さで飛んで行ったのを見送り、リリシアは辺りをキョロキョロ見渡す。


(…この辺はもう、人はいない…。でも、なんだろう…この気配。なんかまだ…いそうな気が…)


ハッとして首を振る。
違う。
私は人を助けに来たんだ。
気配なんかに惑わされちゃいけない!


リリシアが飛び去ると、少女のいた岩場が、大きな音をたてて崩れ墜ちた。








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