The big fours!

□The big fours! 2
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「ココット、どういうことだ?…シロナさんと、知り合い…なのか?」
「あら、ナイターくん。お友達には言っていなかったのかしら」



にこやかに、不適な笑みを浮かべるシロナ。

やばい。
やばいやばいやばいやばい、やばい!!!
どうしよう、どうしてっ…
どうして
どうしてチャンピオンがここに…!


「…うっ…」
「!、リリシア!」
「アムウェイ、どうしました!?」
「…なんでも、な…」
「顔真っ青ですよ!?俺、休憩室に…」


パシン


「っ!」


セルジオの伸ばした手を叩き、アシュアルは顔を蒼白に染めたリリシアを抱き上げた。


「セルジオは何も知らなくていい」


何も、…知らないのだから。

そう呟かれたセルジオは、もう反論出来なかった。
ふぅ、と鼻でため息をつくと、アシュアルの背中を見送り、ココットの方を向く。


「はは、フられちゃいました」
「…ごめん、セルジオ…僕、」
「いいんですよ」



少しでも空気読めるようになったかな、と、思っていた。
でも、まだまだだった。
まだ読めなかった。…また、空気読めなかった。
だから。
もう前みたいに、空気読めないまま、終わらないように。
もう一人になりたくないから…


「俺、ちょっと外出てきます」



20年間考え続けて、出た答え。

一人になれば、

俺は、

空気を読まなくて済む。


読めないことが、ばれなくて済むんだ。


一人になれば―――











――― 一人になる哀しみを、教えてくれたのはあの人だった。

あの人と過ごしていた期間は、本当に、本当に楽しくて。

だから、…離れることになった時は、辛くて、辛くて、辛くて…

哀しかった。


「リリシア、大丈夫?」
「…うん、平気…ごめん、さっきは…」
「いいよ、言わなくて。分かってるから」
「…ありがとう」




とてもとても、小さな頃。
私はパパの用事で、ユオと三人で、"チャンピオン"に会いに行った。

大好きで大好きで 大嫌いだった。

とっても強い、チャンピオン…。









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