A story 〜stories〜
□裏庭の次の月曜日 ※前回のおまけ
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『ちなみに何したんですか?』
「まずは上靴を左右逆にして裏返しにして置き、そしてそこらへんに落ちていた忘れ物の靴下を入れた。
そして下駄箱の蓋を開けたら水が落ちるようにプラスチックの容器を仕掛けておいた。
最後はこの教室まで少しずつ水を零して滑りやすくした。
ちなみに今から此処にも仕掛けるつもりぞ」
『そんなウキウキして話さないで下さい』
「元就君は本当に面白いね」
「俺、アンタだけは敵に回さないようにするよ」
みなそれぞれの反応を示すが、気になることがひとつ。
『今、此処にも仕掛けるって言いませんでした?』
「当たり前よ。
ここまで来たら完璧なものを作って見せようぞ」
『先輩どんだけ元親先輩のこと嫌いなの』
違う、愛情表現?←
「それじゃあ、僕も協力しようかな」
「おっ、半兵衛もやるなら俺もやる!!」
『もちろん私もです。
あ、ちなみに画鋲は椅子に置きましたよ』
「ふむ、ならば椅子に座らざるを得ない仕掛けを施すか…」
幸い元親先輩が登校するまでに時間はかなりある。
彼はいつも遅刻ギリギリだ。
仕掛けている途中、何も知らずに普通に来た他の人たちを巻き込みそうになったが事無きを終え、とうとう完成だ。
「旦那たち物好きだねー」
『とか言いつつ佐助もちゃっかり参加してんじゃん』
「某も楽しめたでござる!
ところで元親先輩は何時来るのだ?」
「我ながらperfectだぜ。
長曾我部の野郎ならあと少しのはず…」
「皆静かに、来たみたいだ。
位置について!!」
それぞれ頷いて、監視役のかすが先輩が注意深く廊下を見る。
「みんな、いくぞ!」
かすが先輩の掛け声を皮切りに、
生徒会室を貸しきった大ピタゴラスイッチ(元親がビー玉役)が始まった。