エリナと翼
□第2章
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車の窓から見える風景がだんだんと変わってくる。
ビルから家へ。そして建物が少なくなっていき畑などが目立つようになった。
「パパ。まだ着かないの??」
いい加減疲れてきた私はまだ、海の気配もしないのにそんなことを聞いた。
「まだまだだ。寝てたらすぐにつくと思うよ。」
私は父の言葉を信じることにし、目を瞑った。
「おいエリナッ!!ついたぞ。」
兄の声が聞こえて、目を開ける。
「う〜ん・・・」
自分がどこにいるのか分からなくなって、しばしの間朦朧とする頭で考える。
微かにする海の匂いで私は思いだした。
「着いたの?」
「あぁ。早く降りろ。」