エリナと翼
□第3章
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引っ越してから1週間がたった。
家の中は迷わないようになったが、まだ、河本財閥の一族の一員であると言う事実が信じられなかった。
明日から学校と言うことで、母がさっき制服を持ってきた。
ブレザーでスカートとネクタイは青、なかなか可愛い制服。
でも私はそこの学校の生徒と仲良くする気はサラサラない。
そう決めていた。
あと3年もまたずに卒業する。大学は都内に戻るつもりだから、面倒くさい友人関係を築くつもりはない。
そうバルコニーで夜の海を見ながら思った。
次の日は初登校。
真新しい制服に袖を通すが、スカート長ッ!!
鏡の前で丁寧にスカートを上げていく。
「おい!エリナ、早くしろ!!遅刻する!!」
部屋の外で兄がドンドンと扉を叩きながら言った。
「ちょっと待って〜!!」
急いでカバンをつかむともう一度鏡を覗きこむ。
そして扉の外に出た。
「エリナ遅すぎ。初登校だから早く行くって言っただろ?朝食までは一緒だったのになんで支度であんなに時間かかるんだよ」
「女の子だから?」