エリナと翼
□第8章
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終業式が終わって、エリナにサーフィンの練習を見に来るかと確認したあといつもの練習場に向かった。
夕方から雨が降るらしく、海は少し荒れていた。
「まぁ、このくらいが丁度いいか」
ボードを持って海に出る。
1時間半ぐらいたったころだろうか。海岸に人影が見えたのでエリナだと思って陸に上がるが・・・
「よっ!頑張ってる?」
いたのは健悟。
「なんだお前か・・・」
思わず前髪をかきあげてしまう。
「ヒュー♪ 色っぽいね〜翼君は」
「お前に言われたって嬉しかぁねーよ」
「じゃエリナちゃんに言われたら??」
「うるせーし」
「言われたら嬉しいくせに…で、まだエリナちゃん来てないの??」
「まだ来てない。なんか委員会があるとか言ってた」
へ〜。と健悟が言ったとき雨が降ってきた。
「ちぇっ、1回ぐらい練習したかったのに・・・」
健悟がブツブツ言う。
「お前がペラペラしゃべりすぎなんだよ」
「そうか〜?」
とりあえず、海岸にホッポっておいた荷物をつかむと近くにある海の家に飛び込んだ。